「クラシック名曲サウンドライブラリー」提供のクラシックの楽曲をお届けします。
クラシックで癒されながらパソコンでお楽しみください。

レオンカヴァッロ:
歌劇《道化師》 第1幕『衣装をつけろ』
♪19世紀後半イタリアのヴェリズモ・オペラの名作
音楽を聴く

19世紀後半のイタリアのオペラには、ヴェリズモという新しい動きがありました。これはそれまでのロマン主義的なオペラの内容とは違い、暴力や血生臭い事件までも扱う、現実主義的な傾向です。
ヴェルディのオペラにも、そうしたものが感じられる作品はありますが、
ヴェリズモは更にその色合いを、一歩進めて全面に出しているのが特徴です。

そしてこの動きはイタリアではなく、フランスが発祥だという見方もあります。
そう、それはあまりにも有名なビゼーの歌劇『カルメン』です。
薄汚れたタバコ工場を舞台に女工たちの喧嘩、山賊の登場といった、
それまでの夢物語のような話とはまったく違ったリアルさがあるこの作品こそ、
後のヴェリズモの現実主義につながる要素が集約されていると言えます。

イタリアに起こったヴェリズモは、二つの大きな作品を生みました。
マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』とレオンカヴァッロの『道化師』です。この両作品はヴェリズモ・オペラの双生児とも呼ばれ、上演時間の短さ、また場面転換が必要ないこともあり、一夜に2本続けての上演もよくあります。LPレコード時代には3枚組に2作品を収録というケースもありました。

そもそもはレオンカヴァッロがマスカーニの『カヴァレリア-』を見て、
自分もこんな感動的な歌劇を書きたいと思い立ったのが、『道化師』誕生のきっかけです。文学的才能もあったレオンカヴァッロ自身が物語の台本を書き、
作曲もした上で、当時あった一幕物のオペラの懸賞募集に応募したのでした。

ところがなぜか二幕物だった『道化師』は規定外で落選。
しかし作品に目をつけた主催の音楽出版社の社長ソンツォーニョは、
等外入賞としてこれを取り上げ、1892年にミラノのヴェルメ劇場で、
指揮者トスカニーニのタクトで初演され、『カヴァレリア-』並の大成功を収めました。

物語は前奏曲や序曲なしに、バリトンが歌うプロローグで始まります。

「皆さん、我々道化師も人の子です。恋もあり嫉妬もします…。」

旅劇団で道化師役の座長カニオは、妻ネッダの浮気を知り嫉妬と怒りに苦しみます。しかし非情にも舞台の幕は開き、カニオは悲痛な思いのまま切々と歌うのです。

「オレは女房に浮気されて悔しい。だのに道化芝居をやらなくてはならない!」

これが有名なテノールのアリア『衣装をつけろ」です。

その後、美しい間奏曲を挟み、続く第二幕は劇中劇です。
亭主の留守に男と妻が浮気するという筋に、現実と芝居の見境がつかなくなったカニオは、演技を忘れて本当に妻と愛人のシルヴィオをナイフで刺してしまいます。そして、「道化芝居は終わった!」と叫んでくずれ落ち、舞台の幕は下りるのです。

レオンカヴァッロは判事だった父が担当した、実際の事件を元にしたと言っていますが、現在では当時のフランスの戯曲や、スペインの劇を参考にしたとの説が有力です。歌劇『道化師』はテノール歌手カルーソによって、人気を決定的なものとしました。


「2012年10月26日クラシック名曲サウンドライブラリーより」

クラシック
名曲サウンドライブラリー
クラシック 名曲サウンドライブラリー
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン・・・
大作曲家たちの名曲を最新デジタル技術で制作したリアルでクリアなサウンドをお楽しみいただけます。
このページの上へ戻る