「クラシック名曲サウンドライブラリー」提供のクラシックの楽曲をお届けします。
クラシックで癒されながらパソコンでお楽しみください。
「これがラフマニノフ?」…初めて聴く方はそう言って驚かれるかもしれません。
4手のピアノ連弾用に書かれた『イタリアン・ポルカ』は1906年の作品。
同年秋から1909年にかけて、家族とともにドレスデンに滞在したラフマニノフは、ドイツに向かう途上でイタリアを経由し、そこにも短期間滞在しました。
イタリアの街での辻音楽師による演奏がラフマニノフの耳にとまり、
これが元になって『イタリアン・ポルカ』は作曲されました。
“イタリアン”と言うほどイタリア風ではなく、むしろロシア風の哀調を帯びていますが、曲調は軽快で、まるでディキシーのような楽しさに満ちています。
最初は連弾用の作品でしたが、後に自身がトランペットのパートを書き加え、
結果として4手のピアノ連弾とトランペットという珍しい編成になりました。
しかし現在演奏されるのは、ほぼ原曲の連弾版かソロピアノ用の編曲版です。
この曲にはラフマニノフと夫人の連弾という、貴重な録音も残っています。
大変な高速演奏にも夫人は負けておらず、聴いて心躍るような演奏です。
また『イタリアン・ポルカ』と言えばロシアの超絶技巧ピアニスト、
アルカーディ・ヴォロドスによるトランスクリプション版もよく知られています。
最早、原型を留めていないほどですが、多くのピアニストが取り上げています。
ラフマニノフは1900年の春にも、ひとりでイタリアを旅行しています。
この時期はニコライ・ダーリ博士の暗示療法によって自信を回復し始めた頃で、
博士に献呈されたピアノ協奏曲第2番は、この年から翌年にかけての作曲です。
また同じ時期に作曲の『2台のピアノのための組曲第2番』では、
終楽章にタランテラというイタリア、ナポリの舞曲が置かれています。
そんなところにも、イタリア旅行から受けた影響をみることができます。
「2011年10月26日クラシック名曲サウンドライブラリーより」