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好奇心スイッチ、オン!(後編) 「ほぼ日刊イトイ新聞」(スタッフインタビューつき)

カワイイ+おじさん、京都に知りあい?のつづき。
前回、“カワイイもの好きな人々。(ただし、おじさんの部)” (以下、「カワイイ」と呼びます)、“京都に「知りあいの宿」をつくろう。” (以下、「京都」と呼びます)の面白さを、担当のお二方(タケイさん、スガノさん)に伺っていたのですが、話はまだまだ続きます。
だんだん、面白さの核心へ…?!

(スガノさん「人がつながっているなあ、って思う」のつづき)
タケイさん 「読んで面白かった」って言っていただくのもうれしいんですけど、ただ面白いではなくて、読んだ人が実際に動く、とか心に何か芽生えるっていう風に、現実に関われるのが嬉しいですね。今まで縁のなかった人とかモノ。“カワイイもの好きなひと”たちも前からいたんだけれど、でてくるジャンルがなかった。気づかれなかった人たちに注目してもらうことで、すごく、お互いの世界が広がることってあると思うんです。

――私もおじさんの“カワイイ”は目からウロコでした。でも、いったん受けいれると、親しみが生まれますよね。

タケイさん 書いてくださってる山下さんは、ほんとにカワイイものが好きな方で。最初は別のきっかけでご縁があったんですけれど、何かやりましょう、とあれこれ考えているときに、「ぼく、ほんとにカワイイものが好きなんです」と。それで「いいじゃないですか、それやりましょう」って(笑)。で、最後の最後に、糸井がタイトルに、(ただし、おじさんの部)ってつけたときに、ジャンルが生まれたんです。

この「ジャンルを生み出す」力が、「ほぼ日」を常に新鮮にしているんです。
そう、“カワイイ”だけじゃないんです!

“ゲイ”が“ほがらかさん”に!
「ほがらかなら、パンダも負けません」「ふふふ、まだまだ!」『新宿二丁目のますますほがらかな人々』(角川書店)発売中 タケイさん 「新宿二丁目のほがらかな人々。」も、ぼくの担当なんです。これも“ほがらか”というジャンルにした点が、こういうちょっと特殊だったり、知られていなかった人たちと、一般の人との接点になるんだと思うんですよ。“ゲイ”は、元は陽気という意味だった(gay:陽気な、同性愛の)、それを、

スガノさん “ほがらか”!

タケイさん そう、“ほがらか”(笑)。これも糸井の発想なんです。こう言うと、やっぱり親しみありますよね。世の中にはいろーんな人がいるぞ、ということを明るく楽しく受けいれて欲しいな、と思うんです。今まで接した事のない人たちにみてもらえたり、「実はぼくも」という共感をもってもらえると嬉しい。男の人は、あんまり「かわいい」って言わないですよね。でも、言うひともいる。他にも絶対いるわけですよ。そこでこうした連載がはじまり、みんながそのことを知ると、お互い楽しく、生きやすくなると思うんです。

ネットを通じて、人と人が現実につながる魅力が、ここにあります。
普段接することのない人たちが、ひとつのきっかけを通して、つながること。
もちろん、いろんな入り口がありますが、「親しみやすくて」、「楽しい」に越したことはない!
「ほぼ日」がそれを成し遂げることに一役買っているのが、このネーミングであり、新しいジャンルの登場なんですね。
そして、企画やネーミング、ジャンルづくりの中心は、やっぱり糸井重里さんなんだそうです。

ほぼ日の魅力、タイトルのちから
スガノさん 「ほぼ日」の牽引力になっているのは、やっぱり糸井の存在が大きいんですよ。「京都」にしたって、“知りあいの宿”ですよ、“知りあい”。“推薦”とかだと、堅いでしょう。持ってる空気やテーマが違ってきちゃう。

タケイさん タイトルのつけ方に糸井のエッセンスのようなものがあるし、ぼくらも影響をうけています。一番大事ですよ。タイトルを考えるときはぼくらも頑張るんだけど、なかなかかなわなくて、すぐにOKはでない。

スガノさん 200%、500%出す気でいかないと(笑)。

タケイさん 早めに「いいんじゃない」って言われると、ちょっとうれしいよね。

スガノさん 何をやっても結局タイトルにかえっていきますね。「京都」をどんなふうに紹介しても、必ず“知りあいの宿”というテーマにかえっていく。

――京都について、ほんとに色々なことを紹介してますよね。でも確かに、“知りあいの宿”に案内してもらっている、というところにおちつきます。

スガノさん じゅんの恩返しもそうなんですよ。糸井が、ぽん、とつけたんです。

――みうらじゅんさんの、恩返ししたい思い出を語るコーナーですよね。

タケイさん みうらじゅんでしょう、普通。そこを「じゅん」ですからね(笑)。

スガノさん いろいろでてくるから、“恩返し”という名のネタ出しだよねって、みうらじゅんさんも言ってたんですけどね。でもタイトルの力もあって、ただの思い出話じゃなくて、まとまり感がでてくる。

タイトルにそのコーナーの魅力が凝縮されているんですね。
「ほぼ日」のたくさんのコーナー、まず、好みのタイトルから読み始めても面白いかもしれませんよ!

タケイさん あと、糸井がずっと言っていたことは、情報や経験を共有するとか、シェアするということです。

――“知り合い”や“カワイイもの”を共有したり、みうらじゅんさんの“経験”を共有する。

タケイさん そう、たとえば経験をシェアするということであれば、「おいしい店とのつきあい方。」なんてまさにそう。サカキシンイチロウさんがご自分で経験されたレストランでのマナーとか、楽しみ方を共有させてもらえるんです。

情報をただ提供する、のではなく、共有する、分け合う。
そうした中で、現実に新たなものが生まれてきます。
「ほぼ日」では様々な商品も売っていますが(ほぼ日ストア)、それらはやっぱり情報の共有、シェアがキーポイントのようです。

コミュニケーションで進化するグッズたち
「パンダはゼッタイかわいいけど、ワンコもなかなか」見ているのは「ほぼ日」発の『Say Hello!』 Tシャツ、手帳、本、腹巻…。
「ほぼ日」で売っているこれらは、そこらにあるものとはひと味もふた味も違います。
それは「ほぼ日」を通して様々な意見が真剣に検討され、思いを吸収したり、改良されたからこそ!

――ハラマキ、私ももってるんですよ。薄いのがいいですよね。

スガノさん でもね、最初はやや厚かったんですよ。

――あ、それは知りませんでした。

タケイさん ちょっと待ってくださいね。(別室へ。そして…)これ!

――ほんとに!

スガノさん 服の上にも巻こうってコンセプトがあった、というのもあるんですけどね。

タケイさん このときも、デザインは横尾忠則さんだし、糸から用意するし、手触りとか、ほんとに上質なものをつくれたんです。でもそれがこうやって作り続けて、薄くなったり、もっともっとよくなっていくのは、使ってくださる方とのコミュニケーションがあるからなんですよ。

スガノさん みなさんからのメールは一番うれしいですよ、ほんとに!

こうしたコミュニケーションで進化した商品だからこそ、お互いの信用や愛着がある商品が生まれるんですね。 私は腹巻だけじゃなく、手帳も愛用しています。これもオススメですよ!

つながる楽しさ!
――お話を伺っていて、読者やお客さんとの親密度の高さ、これが「ほぼ日」の一番の源のような気がしてきました。

タケイさん いただいたメールは、(力をこめて)ほんっっっとに乗組員みんなで読んでますから!

スガノさん メール書くのって、やっぱりそれなりに労力がいりますよね。打ったり、文章確認したり…。そういう手間をかけてもらって、いただいたメールですからね!必ずお返事、という訳にはいかないんですけど、でも、絶対読ませていただいてますよ。

タケイさん そこから、商品の改良につながったり、コンテンツが生まれたり…、投稿していただいてるコーナーもありますしね。ほんとに、みなさんメールくださいね。

インタビューの間、タケイさんもスガノさんも、とても楽しそうにお話しして下さいました。
私も「ほぼ日」が大好きな読者ですが、乗組員の人たちは「ほぼ日」をすごく愛してるんだなあ、と感じました。そしてその愛情は、「ほぼ日」を通じてつながっている全ての人にそそがれている、ということも。
「ほぼ日」を読んで、少しでも「ヒトコト」が生まれた方。ぜひ、メールを送ってみてください。
読むだけじゃない。つながって、そこから新しいものが生まれる楽しさ。
みなさんも体験してみませんか。
(了)

■プロフィール
大原 妙子(おおはら たえこ) 大原 妙子(おおはら たえこ)
1978年生まれ。専門書の出版社勤務ののちにフリー編集者・ライターとして書籍編集を中心に活動中。ネットはプライベート、仕事の両面で毎日利用。
※只今ブログ公開中! →TAEZOの融通無碍天国
今回のオススメサイト
「カワイイもの好きな人々。(ただし、おじさんの部)」
「カワイイもの好きな人々。(ただし、おじさんの部)」
脚本家をされている山下哲さん(おじさん代表)が、カワイイもの好きな人々(ただし、おじさん!)とカワイイものについて語ります。モノもカワイイけれど、登場するおじさんたち(20代から80代の方まで!)もカワイイ…。です!

「京都に「知りあいの宿」をつくろう。」
「京都に「知りあいの宿」をつくろう。」
京都の奥深い魅力を味わうには、京都にくわしい知りあいがいたらいい!darling (糸井さんは「ほぼ日」でこう呼ばれています)の発案で「旅館 銀閣」さんのご協力のもと、京都の魅力を紹介。銀閣さんのお泊りプランも利用できるコーナーです。

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