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「いっただきまーす!」 「秋は美味しいものがたくさんあるわねぇ」 椎名さん一家は、広一パパと春菜ママ、小学校二年生の七海ちゃんの三人家族。 土曜日にはいつも、ママの実家でお昼ごはんをいただきます。 「ごはんだけじゃないよ、テレビもおもしろそうなのがたくさんあるんだよね」 「今晩、七海、おばあちゃんとこ来てもい〜い?」 「あら、どうしたの?」 「秋の新番組、第一回目だからどうしても見たいんだけど、ウチのテレビは、ママがちがうのを見るっていうんだよ」 「それじゃあ、録画してもらえば?」 「それがね、パパのお仕事の番組を録画するからダメなんだって」 「そうなの、それじゃおばあちゃんといっしょに見ましょうか」 「おや、今日はワタシが楽しみにしていた映画が……」 「おじいちゃんは、一回ぐらいガマンしてくださいな」 「帰りが遅くなるし、七海、無理を言っちゃダメよ」 「テレビパソコン(TVモデルのパソコン)で録画しといてあげたらどうかな」 「それなら、明日の昼間、見に来るね! それから火曜日と木曜日の……」 「あら、明日はちょっとお出かけするのよねぇ。テレビを見に来てもいいけど、ひとりで見られるかしら」 「うーん、まったくすいません。そうしたら、パパが、七海とママに、簡単な使い方を教えてあげとくから……」 「おや、それはいいね。ワタシもまだよくわからないところがあるから、このさい、広一君に先生になってもらおうか」 「え、おじいちゃんも、わからないところがあったんですか?」 「実は、おじいちゃんもテレビの操作は苦手らしくて。私、独学で見てたんですよ、すごいでしょう」 |
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