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「今日はパーティだね!」 「クリスマスケーキに、チキンの丸焼きに豪華なサラダとオードブル……。シャンパンまであるんですか!」 「お子さまシャンパンですけどね。みんながそろう土曜日が、ちょうどイブの24日なんてよかったわね」 椎名さん一家は、広一パパと春菜ママ、小学校二年生の七海ちゃんの三人家族。土曜日にはいつも、ママの実家でお昼ごはんをいただきます。今日は、みんなそろってクリスマス・パーティ。食事の前に、みんなでパーティの飾りつけを手伝います。もみの木にオーナメントをぶら下げたり、キラキラの電飾を巻き付けていきます。 「おじいちゃんたら、昨日から徹夜で飾りつけしてたのに終わらなかったのよ」 「すまん……。間に合わせようとおもったんだが……」 「なんだか、BGMの選曲だけで、一晩たっちゃったんですって」 「まぁ、BGM? いま流れているこの音楽?」 「『ホワイト・クリスマス』『きよしこの夜』『ジングルベル』『赤鼻のトナカイ』……さすが、正統派ですね。あれ、おじいちゃん、いちいちCDを入れ換えてるんですか?」 「仕方ないだろう、『ホワイト・クリスマス』はビング・クロスビーだし、『きよしこの夜』はウィーン・フィル演奏のヤツなんだから……」 「あら、最近は、クリスマス・ソングばっかり集めたCDとかあるじゃない? そういうのにすればよかったのに」 「この選曲じゃなきゃ、ダメなのだ」 「七海は『あわてんぼうのサンタクロース』とか、ディズニーのクリスマスソングがいいな」 「ママだったら、松任谷由実の『恋人がサンタクロース』ね」 「みんなそれぞれ、好きなクリスマスの曲があるんだね。そしたら、食事が終わったら、みんなの好きなのを集めた、オリジナル音楽集を作ってみようか?」 「広一くん、無理無理。カセットテープレコーダーなんか、とっくの昔に壊れて捨ててしまったからな」 「ああ、それでいちいちCDを入れ換えてたんですね。パソコンに録音(※1)すれば、入れ換えることなく流すこともできるんですよ。最近は、いいスピーカーをパソコンにつないで、本格的なオーディオセットと同じように聴いてる人もいるみたいだし」 「七海、家でも聴きたい。クリスマスの音楽……」 「それなら、CD-Rに焼かせてもらってもいいですか? そしたら、ふつうのCDプレーヤーでも聴けるし」 「オリジナルCDを自分で作るってことかね?」 「もちろんですよ。パソコンに曲が取り込んであれば、好きな曲だけ集めて、それをまたCDに焼くこともできるんです」 「その手があったか!」
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