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「いただきます!」 「あ、七海の大好物ばっかりだー。シチューにパスタにハンバーグ。ワーイ、オムライスまであるよー」 「懐かしの洋食屋さんシリーズですね」 椎名さん一家は、広一パパと春菜ママ、小学校二年生の七海ちゃんの三人家族。土曜日にはいつも、ママの実家でお昼ごはんをいただきます。今日は、さまざまな洋食メニューがテーブルいっぱいに並んでいます。 「食欲の秋ですからね、たくさん食べて」 「あらー、でもこんなに食べたら、太っちゃうわ……」 「ママねぇ、夏の間に3キロ、増えたんだよー」 「あ、七海ったら、バラしちゃダメって言ったのに」 「3キロぐらいたいしたことないだろう。運動すればいいんだよ。なにせ、運動の秋でもあるんだから」 「おじいちゃんは簡単にいうけど、私ぐらいの年になると、基礎代謝だって落ちてきているんだから……ああ、どうしたらいいのー。ダイエットしなきゃ、ダイエット!」 「だったらママ、そんなにパクパク食べなければいいんじゃ……」 「だって、美味しいし……困っちゃうわー。そういうパパだって、あんまり食べ過ぎちゃいけないんじゃないの?」 「そうそう、ボクも不安があるんですよね。メタボリック・シンドロームでしたっけ。会社の健康診断で内臓脂肪と高血圧にチェックがついてて。一応、インターネットで、健康診断の結果の見方とか調べちゃいましたよ」 「ちゃんとお医者さんに指導してもらっているのかね」 「再検査では、定期的に運動するようにってぐらいで、ひっかからなかったんですけど。」 「それなら、心配しすぎることはないよ」 「のんきなこといってるけど、おじいちゃんだって、ちゃんと健康管理をしたほうがいいわよ。ご近所の横田さんだって、毎日のお散歩、歩数計で記録しているらしいわよ」 「なに歩数計? ワタシだって、そのぐらいやっているさ。パソコンを使うと簡単に記録できる機種があるんだゾ」 「あら、知らなかったわ。それ、教えて。パパも持ち歩いたらいいんじゃないの?」 「歩数計? うわぁ、小遣いだけでなく、毎日歩いた記録までママに管理されるのかぁ」 「なに言ってるの〜。そのくらい、あなたが自分で記録つけなくちゃ!」 |
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