「す、すいませんが、テレビ見せてください!」
椎名さん一家は、広一パパと春菜ママ、小学校二年生の七海ちゃんの三人家族。土曜日にはいつもママの実家に遊びにきます。今日は到着するなり、パパが大騒ぎ。
「どうしたんだい、広一くん」
「朝の連ドラの総集編なんですが、うっかり録画予約するの忘れてきまして……今週忙しかったので、見てない日がたくさんあるんです。今日の総集編を見逃しちゃうと、話がわからなくなっちゃうんですよ……うう」
「なんだ、そんなことか。それじゃ、パソコンで録画しておいてあげるよ」
「ああ、ここのうちはテレビパソコンで簡単録画できるから、よかったぁ」
おじいちゃんはリモコンでサッサと予約録画をセットしました。
「さぁ、食事だ、食事。子供じゃないんだから、テレビを見るのはあとにして、早く食べようじゃないか! おばあちゃんがにらんでるゾ」
食事が済んだら、今日はみんなそろって公園におでかけの予定です。
「え、テレビ録画を持ち歩いて見られるんですか? いや、ノートパソコンとかDVDプレーヤを持ち歩くのはちょっと……」
「そんな重いの、持ち歩かなくても、このVoToL(ヴォトル)に入れてあげるから大丈夫!」
おじいちゃんが自慢げに取り出したのは、片手におさまる、キャップのついた銀色の、小さな箱のようなものです。
「へぇ、なんです、これ。うーん、PDAじゃないし、ビデオカメラでもない。なんだか、お酒を入れて腰のポケットに入れておく、えっとなんて言うんでしたっけ?」
「ヒップフラスコかい? 男っぽいデザインでカッコいいだろ。携帯型動画プレーヤVoToLだよ」
「ボトル? 流行りの携帯音楽プレーヤ? 携帯型動画プレーヤ……ということは、音楽だけでなく、動画も持ち歩けるわけですね。そりゃ、スゴイ」
「……テキストだってOKだ。これ一個で、音楽プレーヤーでアルバムでテレビで映画館で、しかも本。という具合に、いろいろなデータを持ち歩けるのさ」
「うわぁ、ほんとだ。ぼくのデジタルカメラよりデカイ2.7型カラー液晶に、ハードディスク30GB……。十分すぎるスペックですねぇ。おおっ、キュキュッと、上のキャップみたいなところをまわすと、音楽、写真て具合に、メニューが切りかわるんですね。おじいちゃん、これ、流行の一歩先を行ってますよ! 男の書斎が掌の上に……」
「広一くん、わかってるじゃないか。男の美学ってやつが」
「ん? キャップがはずれるわけではないんですね……。どこからこれに酒を入れるんですかね……」
「なにを言っているんだ、君は。酒は現地で調達だ!」
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VoToLはさまざまな使い方ができる、大人のための携帯型動画プレーヤです。
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