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「ハックショーン!」
椎名さん一家は、広一パパと春菜ママ、小学校二年生の七海ちゃんの三人家族。土曜日にはいつもママの実家に遊びにきます。今日は、お節に飽きた1月の定番、カレーライス。いざ、いただきます……というところで、七海ちゃんが大きなクシャミ! 「まあ、七海ちゃん、大丈夫? 寒いのかしら」 ママがすかさずティッシュを七海ちゃんに渡します。 「うーん、なんだかスースー、グシュグシュする……」 「グシュグシュしているのは、あなたの鼻ね。スースーするのは……そうね、なんだか寒いわねぇ」 「隙間風がはいってきてるような気がする……」 「一戸建ては、ウチみたいなマンションほど気密性が高くないから……。それにしても、スースーするわ、ねぇおばあちゃん……」 「今年になってから、窓の具合が悪いみたいでね。暖房を強くしても、隙間風がはいってくるのよ」 「暖房つけすぎもお肌が乾燥しちゃうしね……。ああ、そうそう。パパ、このあいだの福袋にはいってたあれ、おばあちゃんに、あげて……」 「あら、ありがとう。なんだい? あら、ひざ掛け……」 「これ、パソコンにつなぐ、ひざ掛けなのよ」 「え? パソコンにつなぐ? ひざ掛けを機械につないで、なにをするの?」 「なんだか、暖かくなるらしいの」 「電気毛布ってことかい?」 「電気毛布の一種ではあるけど、USBグッズっていうらしいのよ」 「パソコンにコンセントがあるのかい?」 「ええとたしか、USBケーブルって電源もとれるらしいのよ。だから、コンセントはいらないの。パソコンさえあれば、暖かく使えるのよ」 「ノートパソコンとかを持ち歩く人には便利そうねぇ」 「事務所で使っている人もいるらしいわよ。それにここの部屋だと、これ以上、コンセントをタコ足配線にしなくてもいいでしょ」 「そうね、パソコンの前が一番スースーするから、ちょうどいいわねぇ。わざわざ買ってくれたの?」 「それがね、パパと行ったパソコンショップでね、大特価の福袋を買ったら、いろいろなUSBグッズがたくさん入っててね……」 「まぁ、パソコンが福袋に?」 「パソコンじゃないってば。パソコンの周辺で使う、アイデア商品みたいなものがたくさん入っていたの」 「まぁ、福袋。いいわねぇ。どんなものが入ってたの? 見せてちょうだい」 「おばあちゃんたら、ほんとに福袋好きなんだから」 「そっかー、ママの福袋好きは、おばあちゃんの遺伝だったんだね!」 |
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