RAIDとは？

■ 複数のHDDを1台のHDDのように扱う技術 RAID(レイド)とは、”Redundant Arrays of Independent(Inexpensive) Disks”の略で、複数のHDDを組み合わせて高速、大容量で信頼性の高いシステムを実現する、ディスクアレイシステムのことです。RAIDの構成には、機能によってRAID0〜RAID5、RAID10の7種類に分類されますが、RAID2,3,4はほとんど実用されていません。

	RAID0

2台以上のディスクにデータを分散して書き込む方式です。データのアクセス速度を高速化して、大容量のシステムを提供します。ただし、複数のディスクのうち、どれか1台が読み出し不能になると、ディスク全体が読み出し不能になります。

	RAID1

2台以上（通常は2台）のディスクに同じデータを書き込む方式です。一方のディスクが故障した場合でも、他方で処理を続行できるようになるため、データの安全性、耐障害性が高まります。ただし、同一のデータを2台のディスクに書き込むため、ディスクの使用可能領域は全ディスク容量の1/2になります。

	RAID5

ディスクのデータをもとにパリティを生成し、複数のディスクにデータとパリティ情報を分散して記録する方式です。ディスクの1台が破損しても、残りのディスクにあるデータとパリティ情報からデータを修復することができるため、安全性、耐障害性が高まります。通常3台以上のディスクを使用します。ただし、データの書き込み時にパリティを算出するための時間がかかります。

	RAID10

RAID0とRAID1を組み合わせて実現する方式です。 RAID0とRAID1両方の特性を備えているため、高速性、安全性、耐障害性に優れています。ただし、最低でも4台のディスクが必要となり、ディスクの使用可能領域は全ディスク容量の1/2になります。

				RAID構成を変更する場合

RAID 0,1,5,10の構成を別の構成（RAID 0,1,5,10)に変更する場合、再セットアップにより行うことができます。再セットアップではハードディスクの台数により作成できるRAIDレベルへのみ変更することができます。この際ハードディスク上のデータは全て失われますのであらかじめ外部メディアにバックアップを取ってから行ってください。再セットアップの手順はユーザーズマニュアルをご参照ください。 ※ お客様によるハードディスクの増設およびRAID設定変更によって発生した不具合については、保証・サポートの対象外となります。またハードディスクの内容については保証できません。

				バックアップの必要性

RAID 1,5,10構成を使用すれば、データの安全性が高まりますが、ハードディスク上のデータを完全に保護することはできません。また、RAID0構成では、HDDが1つ故障するとデータの読み書きができなくなってしまいます。データ保護のためには、DVDなどへの定期的なバックアップをおすすめします。

				Q＆A

Q A 1 RAID 0(1,5,10)は どれを選べばいいのですか？ 処理の高速性を求める場合RAID0を、データの安全性を優先する場合はRAID1またはRAID5を、両方の利点を追求したい場合RAID10をお奨めします。 2 RAID 0と普通のHDD2台構成の違いを教えてください RAID0ではデータを分散して2台のディスクへ同時に書込みを行います。RAIDを構成していないモデルに比べ、書込み、読み込みの速度が大幅にアップします。 また、Windowsから1台の大容量HDDとして認識されるため、HDD毎にドライブを分けて管理する必要がありません。 3 「RAID」にすれば「バックアップ」は必要ありませんか？ いいえ。 [RAID 0] HDDが1台でも故障した場合は全てのHDDのデータが読み出せなくなりますので、同様に重要なデータは必ずバックアップするように心がけてください。 [RAID 1/RAID 5/RAID 10] RAID 0を除くRAID構成ではデータの安全性は高まりますが完全にデータを保護することはできませんので重要なデータは必ずバックアップするよう心がけてください。 4 「RAID」と「バックアップ」の具体的な違いを教えてください [RAID 0] RAID 0ではHDD故障時のデータが保護されませんので、重要なデータは必ずバックアップするように心がけてください。 [RAID 1/RAID 5/RAID 10] RAID 1/5/10はハードディスクが一台故障しても一見通常通りに動作させる機能であり、そのまま利用し続けると他のHDDも故障しデータが損なわれる可能性が高くなります。RAIDではハードディスク上のデータを完全に保護することはできません。 バックアップはその時点でのハードディスク内にあるデータを外部へ安全に取り出すことです。データ保護のために定期的なバックアップをおすすめします。 5 RAID対応装置は、再セットアップするときに特別な操作をしなければRAID状態になりませんか？ RAIDの変更を選択しない限りRAIDの状態は保存されますので特別な操作は必要ありません。RAIDの変更を選択した場合指定したRAIDの設定が自動的に行われます。 なお、RAIDの変更を行う場合は再セットアップ用DVD/CDを作成してから行ってください。HDDからの再セットアップの場合はRAIDの変更は行えません。 6 RAID状態(RAID 0,1,5,10)のHDDの一つが壊れたときにはどうすればいいですか？ [RAID 0] 修理を依頼してください。なお、データのバックアップ/復旧は行えません。 [RAID 1/RAID 5/RAID 10] 現在正常なHDDが故障した場合にはデータが失われるため、直ぐにデータのバックアップをとり早急に修理を依頼してください。 7 RAID状態のHDDの二つ(またはそれ以上)が壊れたときにはどうなりますか？ [RAID 0] 修理を依頼してください。なお、データのバックアップ/復旧は行えません。 [RAID 1] 修理を依頼してください。なお、データの入っているHDDが2台とも故障した場合はデータのバックアップ/復旧は行えません。 [RAID 5] 修理を依頼してください。なお、データの入っているHDDが2台以上故障した場合はデータのバックアップ/復旧は行えません。 [RAID 10] 2台故障した場合は、壊れたHDDの接続順によっては正常なHDDだけでWndowsが動作する場合があります。現在正常なHDDが故障した場合にはデータが失われるため、直ぐにデータのバックアップをとり早急に修理を依頼してください。Windowsが動作しない、または3台以上故障した場合はデータのバックアップ/復旧は行えません。 8 RAID 0、5の場合、OSは一つのHDDに入っているのですか？ RAIDを構成する各々のハードディスクに分散して書き込まれています。従ってRAIDを構成するどれか一つのディスクの内容をバックアップしても全体のデータを保護できるわけではありません。 9 RAID1でHDD1台のみで起動できますか？ RAID1で1台のハードディスクに障害が発生しても、もう一方のディスクが稼動して問題なくシステムを起動させる事ができます。しかしながらこの状態ではミラーリングが機能しませんので、残りの1台にも障害が発生した際にシステムが壊れてしまいます。早めに修理を依頼してください。 10 RAIDレベルの変更は可能ですか？ 再セットアップを行う事によりRAIDレベルの変更は可能です。 ただし、搭載しているHDDの台数によって設定可能なRAIDレベルが異なりますのでご注意ください。 　・HDD 1台の場合：RAID構成にはできません。 　・HDD 2台の場合：RAID 0またはRAID 1 　・HDD 3台の場合：RAID 0またはRAID 5 　・HDD 4台の場合：RAID 0またはRAID 5またはRAID 10 なお、Intel社製ユーティリティ(IntelMatrixStorageManager)でのRAIDレベル変更は可能ですがNECとしてはサポートしておりませんのでご注意ください。 11 RAID構成のHDDが故障した場合、HDDのみの修理を行っていますか？ 通常の修理と同様に本体毎お預かりして修理する形になります。RAID構成はHDD容量、ベンダ、回転数などを同一にする必要があり各HDDの容量を調整する必要がありますので本体そのものを修理にお預かりしています。あらかじめご了承ください。

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