小さな電子のチップ(電子タグ)とそこに記録された情報を無線で読み取る装置を用いて、モノとデータの管理を効率よく行う技術のことです。電子タグとは、部品や商品などの情報を記した荷札を電子化したもので、これまで使われていたバーコードと比べて記録できる情報量が多く、読み取りも簡単。また、情報の置き換えも可能です。
パソコンを生産する際に必要な部品は約2,000種類に及びますが、すべてRFIDで管理されています。これにより、利用頻度や在庫数などが正確に把握できるため、各部品を必要なときに必要なだけ調達することができます。
米沢工場ではおよそ2万種類のパソコンを生産しており、そのすべての工程を把握することは困難です。そこで、組み立ての際に必要な部品の種類や数をRFIDを活用したITシステムで管理。作業場のディスプレイには工程ごとに使う部品や手順が細かく表示され、ミスの発生を防ぎます。
RFIDによって、使用された部品や生産した製品の数は常にモニタリングされており、そのデータをもとに30分サイクルで部品の発注・納品が行われています。届いた部品は、カートに積んだまま専用のゲートを通過するだけで、自動的にRFIDの情報が読み取られ検品されます。
米沢工場では、RFIDの活用と高度化した生産管理システムによってさまざまな場面で作業の効率化が進み、今では受注から最短3日で納品できるようになりました。また、生産数の急増・急減や仕様変更にも柔軟に対応可能です。受注から生産まであらゆる“ムダ”を削減しています。