タイムスリップ編その10 動画の過去と未来の巻

8ミリフィルムの編集は、切ったり貼ったり大変だったんだにゃ！

ねえ、ジーニャ。編集できた？

まだだにゃ。バーニャ。今、やっと押し入れから機材を出してきたところだにゃ。

はやくしないとメグが帰ってきちゃう。

そんなにすぐにはできないにゃ。これからこの編集機で削除する部分を探して、両端を切って、この編集テープでつながなきゃいけないんだ。しばらく使ってないし、集中力を必要とする難しい作業なんだにゃ。

あら、カミナリ？

ポワワーン（と、とつぜん出現する）

また、タイムスリップしちゃったにゃ。30年後から来た孫のポテトだにゃ。

あら、ポテトくん、いらっしゃい。

これ、なんの機械？

8ミリフィルムの編集機だにゃ。これで、8ミリフィルムに撮った映像を編集するんだにゃ。

どうして編集するの？

わたしが若い頃の映像を見たいってメグが言うんだけど……。

メグというのは、ポテトくんのママのことじゃよ。

「オーッホッホ。わたしはエッセイストになって、ベストセラー作家になるんだにゃ」って言ってるところは恥ずかしいから、カットしてから見せるっていうんだにゃ。

こんなこと、ジーニャにしか頼めないにゃ。

うーん。デジャビュの真相がわかったにゃ。今も昔もまったく同じことをしている。「恥ずかしいところを消して」というところもまったく同じだにゃ。

えっ？　30年後にも、こんなめんどくさいことをやってるのかにゃ。

やってはいるが、こんなにめんどくさくはないにゃ。かんたんにできるようになるにゃ。パソコンでちょちょいとできるにゃ。

パソコンで？　パソコンにフィルムを入れるのかにゃ。あ、わかった。ビデオか。未来にはビデオカメラが普及しているんだね。みんながビデオカメラを持ってるんだにゃ？

そんなわけないじゃない。あんな重いものを。みんな、カメラを肩にかついでるの？

肩にかつぐ？

そんなことないにゃ。テレビで「パスポートサイズ」のビデオカメラのCMやってるじゃないか。もうビデオカメラは肩にかつぐものじゃなくて、片手で持って撮るものだにゃ。

そうだ。あの頃、ビデオカメラは急に進化して軽くなったんだ。

でも、30年後にビデオカメラが普及しているかというと、それほどでもないですね。でも、みんなどこででも動画を撮れるんですよ。

どういうことかにゃ？

この時代のビデオカメラは、8ミリやVHS-Cのビデオテープを使っとるだろ。その後、Hi8（ハイエイト）が出て、ディスクに録画するカメラも出て、デジタルのDVが出て、SDカードになるんじゃよ。

テープがディスクになってカードになる。つまり、どんどん小さくなっていくんじゃな？

そうなんです。それから、スマートフォンが普及するんだにゃ。スマホには動画を撮影できる機能があって、みんなそれで動画を撮影するようになります。名刺より少し大きいくらいのサイズですけど。動画が撮れちゃうんです。

ついにカメラもカードみたいにちっちゃくなるってことか。

パソコンでも撮れるんですけどね。パソコンは、パソコンを使っている人を撮影するのには便利ですけど、それ以外のものを撮るのには向いてないから。
パソコンは、撮った動画を見たり編集するときに使われてますね。