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「ディズニーの英語のクリスマスソングだよ。このCDにはいっているの。覚えちゃったんだ」 「へぇ、子供は覚えるのが早いからなぁ。英語の勉強にもなっていいねぇ」 「これ、勉強じゃないよ。お歌だもん」 「そうそう、そういうのが一番いいのよ。私の子供時代にも、こういうのがあれば良かったのになぁって思うわ」 七海ちゃんは、パソコンのMediaGarageの『ナビ』の中にあるリピート再生を選んで、何度も再生して歌っています。 「ふーん、いいこと思いついてしまったぞ。ワタシは、このCDを録音してみるかな」 「あら、それって、米朝の名作落語のCDじゃありませんか」 |
「そうそう。かねがね、好きな話だけ、続けて聞きたいって思っていたんだ。これをパソコンに取り込んでおけば、ベストセレクションの特選落語CDが作れるってわけだ」 「それはいいアイデアですねぇ。そうしたら、私は、韓国語のお勉強のCDを録音しようかしら」 「そうそう、語学学習にパソコンを使っている人もたくさんいるみたいですよ。勉強したい部分だけを編集して、通勤の電車内で聞いたり、携帯音楽プレーヤーで聞いたり」 「カセットテープも取り込めるの?」 「やったことないけど、できるはずだよ。あ、あったあった。『BeatJam』の『外部入力からの録音』でカセットテープレコーダーとつないで録音すればいいんだ」 「ふーん、今度うちのレコーダーもってきて、古い録音を取り込んでみようかしら。ほら、七海がはじめておしゃべりしたカセットテープとか、あるでしょう」 「そうだねぇ、パソコンに取り込んでおけば、いろいろな使い方ができるもんね」 |
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「ねぇねぇ、この音楽鳴らしておいたら、サンタさんにお願いしたプレゼント、今晩届くかなぁ」 「え、七海、欲しいプレゼントがあったの?」 「もちろんあるよ」 「ママ、聞いてないわ〜」 「そりゃそうだよ。ママに言ったらまだ早いって言うもん。サンタさんだけが知ってればいいことだし」 「どうやってサンタさんにお願いするの」 「サンタさんに頼めば大丈夫って、おじいちゃん、言ってたよ。おじいちゃんが、サンタさんに伝えておくって言ってたよ」 「いったい何をお願いしたの?」 「iPod」 「なぁに?それ」 「iPodかぁ。大流行している携帯音楽プレーヤーだよ。パパだって持ってないんだから、たしかに七海には、まだ早いなぁ」 「え〜、クラスの純くんも持ってたよ」 「とはいえ、たしか、あれって専用のソフトをインストールしたりしないとダメだし、まだ七海にはむずかしいよ。サンタさんは、ちゃんと七海でも使えるプレゼントをくれるよ、きっと」 「七海はサンタさんを信じてるもん」 「ところで、パパはさっきから、なにをしているの?」 「うん、おじいちゃんの選曲したクリスマスソングを携帯電話でも聞こうと思って」 「え、そんなことできるの?」 「『SD-Jukebox』ってソフト(※3)を使うと、mini-SDメモリーカードがついてるケータイ(※4)に録音することができるんだ」 「まぁ」 「ちょうどぼくのケータイが機種があってるから……」 「おじいちゃんサンタから、広一くんへの、ま、クリスマスプレゼントってことだな」 「七海、iPodがダメなら、音楽が聞けるケータイでもいいなぁ」 「え、ケータイ? 七海にはそれもまだ早いわ。それに、いまから頼んでも、もう間にあわないわよ、きっと。もうプレゼント持って出発しちゃってるわ」 「そっかー。じゃ、やっぱりiPodが届くのかな」 「だから、それも無理だってば……」 「大丈夫だよ、七海ちゃん。おじいちゃんが、ちゃ〜んとサンタさんに頼んでおいたから。きっと、届けてくれるよ」 「え、おじいちゃん、そんなこと言っては……」 「届いたら、パパに手伝ってもらって音楽をいれてもらいなさい」 「……わかったわ。もう、おじいちゃんったら、ほんとに七海には甘いんだから」 「いやいや、ワタシじゃないよ。甘いのはサンタさんなんだからね」
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