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「いったいどんな機能なの? 計算ぐらいじゃ、許さないんだから」 「うん。おばあちゃんからもらったExcelのテンプレートに、我が家の家計簿を入力したんだよね?」 「ええ、今年の分と、確定申告の医療費控除用を申請するから去年の分もだいたい終わったわよ」 「さすが、ママ。しっかりしてるなぁ」 「ほめなくていいから、早く教えてよ」 「エンゲル係数って知ってる?」 |
「えーと、総支出にしめる食費の割合だっけ?」 「そうそう。ふつうは(食費÷消費支出)×100っていう数式で算出するんだけど」 「七海のお小遣い帳の作り方で、+と−はわかったけど、÷もできるのね」 「Excelでは、÷ではなくて、/で表示するんだけどね」 「だとすると……」 ママは、新しいブックを開いて、月と総支出、食費、エンゲル係数という項目を入力しました。 「SUMには(食費/総支出)×100っていれればいいのね。去年の月の支出と食費は全部転記してあるから、すぐできるわ」 「そうそう、そしてエンゲル係数の行全部を選んで、右クリックすると『セルの書式設定』って項目があるよね。それを開くと『表示形式』っていうのがあって、そこでパーセンテージを選ぶと……」 「あら、%になってる」 「それができたら、ここから楽しいトコなんだけど、パーセンテージ全体を選んで『グラフウィザード』ボタンをおしてごらん」 「これ? 」 「棒グラフや折れ線グラフなんかの種類を選んで『完了』をクリックすると」 「あ、グラフになった!」 「表からグラフを簡単に作ることができるんだよ」 「これはおばあちゃん、知ってるかしら。きっとびっくりするわね〜」 「グラフの種類もいろいろあるから、楽しいよ」 「うーん、これは見やすいわねー。ウチって、夏はエンゲル係数が低いのねぇ」 「ああ、きっと旅行にいってたから……」 「あと、七海が夏休みだと、おばあちゃんとこで食事することが多かったから……」 「ということは……おばあちゃんちのグラフは夏の食費がたいへんなことになってるのかな……」 「こう見やすくなっちゃうと……」 「あんまり食事、ごちそうになってばっかりってのも、なんとかしないといけないか」 「そうねー、七海だけでなく、家計簿全体を見直さないと……。あなたのお小遣いもExcelで要チェックね!」 「うーん、そうきたかー」 |
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「あのさ……」 「結論としては、あなたのお小遣いは20%カット」 「カンベンしてくれないかなぁ。そのかわり、Excelでいろいろなものを作ってあげるから……」 「どんなもの?」 「そうだなー、きみ、年賀状の住所録を整理していただろ。あれとか」 「そうねー、あの年賀状ソフト、ハガキの面を作るのはいいんだけど、住所録として使うには面倒なのよね。Excelの表だと、分かりやすそうだけど、いちいち最初から入力するのは面倒じゃない?」 「ああいうソフトは、CSV形式のファイルでデータを出力できるからね。CSV形式っていうのはExcelのファイル形式だから、簡単にExcelに取り込むことができるんだよ。Excelだと、データを検索して探し出すのも簡単だし」 「それならお願いしようかしら。お小遣いカットは10%にしておくわね」 「えー、あと、カレンダーとかスケジュール表はいりませんか」 「そうねぇ、データを探しだすのが簡単なら、なにをいつ撮ったか、デジカメの画像の管理とかもできる?」 「写真データの整理だね。サムネイルの画像を表に貼り込むこともできるから、見やすくてキレイなのを作ってあげるよ。Excelはデータベースとしても使えるからね。あとはそうだな、七海の時間割……、家計簿も項目別に管理できるようにするから……」 「ほんとにExcelっていろいろなことかできるのね」 「世の中に表組みにするといいもの、表を応用しているものが、いかにたくさんあるかってことだね。で、ぼくのお小遣いなんだけど……」 「もう一声!」 「最後の切り札だ。ママのダイエット記録でどうだっ! 折れ線グラフにして、成果がスゴクよくわかるように作ってあげるよ!」 「えー、それはちょっと、コワすぎる〜。遠慮しますー。……わかったわ。お小遣いカットは当分、見合せましょ。そのかわり……」 「なんだい。まだやることがあるの?」 「あなたのお小遣いも、Excelでちゃんとつけといてね!」 「えー……」
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