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「七海、スケジュール表ができてよかったじゃないか。午前中は毎日、タイコの練習か。ほかにも、プールにラジオ体操か。忙しい小学生だなぁ。あれ、なんで午後は毎日、おじいちゃんちって書いてあるんだい?」 「学校の帰りに寄るんだもーん」 「ふーん、暑いから涼しいところで休んでくつもりかい? まぁ、いいや。これからちゃんと、毎日がんばるんだよ」 「ドドドン♪ パッパッ」 「まったく上の空だなぁ。しょうがない、パパが自由研究のヒントをあげよう」 「自由研究のヒント?」 「七海はまだなにをやるか、決めてないんだろ?」 「ドンドドドーン♪ そうなんだよねー。スケジュール表によると今週中には、決めないとダメってことになってるんだけど……」 「やりたいことが見つからないときは、インターネットでテーマというかネタを探してみるといいよ」 「どうやって?」 「ほとんどの子ども向けポータルサイトは、夏休みになると宿題や自由研究の特集記事をアップするから、そういうのを参考にするっていう手もあるね」 「子ども向けポータルサイトってなぁに?」 「子どもが見られるように、子ども向けのいろんな情報を掲載しているホームページのことだよ。大手のプロバイダーや、児童関係の出版社なんかがよく運営しているね」 「ドンドーン♪ 見てみるー!」 「え〜とたとえば『キッズgoo』『Yahoo!きっず』『KIDSPLAZA』とかかな? 学研のサイトにも『夏休み自由研究プロジェクト』っていうのがあるね」 「Googleで『夏休み 自由研究 宿題』なんて単語で検索してもたくさんでてくるんだね」 「へぇぇ、東京電力『サイエンスグランプリ 自由研究のススメ』、『自由研究のツボ』とか、おもしろそうなのが、たくさんでてきたな」 「うわ……これ全部見ないとダメ? この中から探すだけで、たいへんそうだよ」 「そうだなぁ。まぁ、全部見る必要はないよ。なにかピンときたのはあるかい?」 「この実験とか……」 「それはおもしろそうだなぁ。ペットボトルでソーラーカーを作るのか」 「あ、パパの瞳が輝いてる。こういう時ってだいたい七海よりパパが夢中になっちゃうんだよね……。ちがうのにしようかなー」 「え、ちがうのにするのか……。どれだい?」 「ドンドーン♪ この紙工作にしようかな……あれ、なんか【PDF】って書いてあるよ。クリックしたら、なにかへんなのがでてきた……」 「これはPDFっていう電子書類ファイルの形式になっているんだよ。このまま、印刷して作れる型紙になっているんだね」 「わー、便利ー。でも、ちょっとむずかしそう……」 「いやいや、大丈夫だよ。このぐらい作れるさ」 「って、パパならでしょ。七海はもうちょっと、簡単そうなのがいいなぁ」 「うーん、こっちのも作りがいがありそうだな。おっ、これも良くできてる」 「ドドンガドン♪ 決〜めた! 七海は、今年もパピーの観察日記にしとこ」 「え〜、そんなー」 ●夏休みの宿題・自由研究のヒントになるサイト
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●子ども向けポータルサイト
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「ママがねぇ、心配しているのは、読書感想文なのよ。ただでさえ七海は、本を読むのが苦手だから」 「うへぇ、ぼくも苦手だったよ。課題図書ってさ、どれもおもしろくなくて」 「ホント? ホントでドドンガドーン♪」 「そんなこと七海の前で言ってはダメでしょー! おもしろいのだってあるんだから」 「ママ、おもしろいのって、どの本?」 「ええと、ママが七海ちゃんぐらいの時はね、椋鳩十って人の、なんだっけ」 「『マヤの一生』」 「あー、それそれ! おばあちゃん、よく覚えててくれたわー。それで感動して……」 「感動したママはねぇ、かわいそうだって言って、ずっとおフトンの中で泣いてたのよ」 「え、おもしろいんじゃなくて、かわいそうなの? 七海、おナミダ頂戴はちょっと……」 「どこでおナミダ頂戴なんて言葉を覚えてくるのッ。そうじゃなくて、感動して泣いたの! それに、それはママが子供の頃の本で、七海の課題図書ってなんだったかしら」 「学校ではとくに決まってないんだよ。なんでもいいから3冊読んで、感想書くんだよ」 「へぇ、最近の学校は本の指定はしないのねぇ。そういえば。駅前の本屋さんに、推薦図書って、たくさん並んでいたわねぇ……」 「ドドドーン、ドドドーン♪ 推薦図書だっけ、それってたくさんあって、七海、どれを読んだらいいかわかんなーい」 「そうねー、手あたり次第買うってわけにもいかないし。だけど、こう暑いと図書館まで行くのもおっくうだわ」 「ママ、本の中身を知るには、アマゾンやオンライン書店bk1なんかのネット書店で内容説明や書評とかレビューを読んでみるといいよ」 「あら、パパったら、ナイスアイデア。そうねー。七海、ほら、見てごらんなさい。児童書ってジャンルのとこにたくさん本があるから……」 「ドンガラドーン♪ あ、この本、学校の図書室にあったよ。この絵もみたことあるー」「宮沢賢治の『注文の多い料理店』ね。表紙がでてるからわかりやすいわね。読んでみたい?」 「んー、やっぱりわかんない」 「そしたら、『青空文庫』で、さわりだけでも読んでみるかい?」 「なぁに、青空文庫って」 「うん、無料で読めるインターネットの電子図書館だよ。公開されているテキストは、著作権が切れた作品や、「自由に読んでもらってかまわない」ものを、テキストとXHTMLやHTML形式で読めるようにしているんだよ。専用のソフトを使うと、本みたいに縦書きで読めたりもするんだ」 「まぁ、それはいいわね! 名作がたくさんあるのねー。宮沢賢治は……すごい、101作品も公開されているわ……」 「ドドンガドーン♪」 「印刷して読んでみる?」 「なんとなくわかった。このお話がいいな。でも、七海、読書感想文の書き方ってわからないんだよね」 「原稿用紙の使い方?」 「お話の中身を書けばいいの? ふつうの作文みたいにすればいいの?」 「本の感想よ。読んで、なにを思ったか、どんなところに感動したか……とか」 「読書感想文の書き方もネットにあるよ。ほら、七海。書き方のコツも書いてあるよ。本を読んで思った自分の気持ちを素直に書けばいいんだ。書く枚数が決まっていて、書くことがなくて困った時は、自分の体験談を追加してみる……とか。あとは原稿用紙にきれいに書けばいいんだよ」 「ドドンガドン♪ なんでもネットにあるんだね。ねぇ、パパ。まるごと使っていい読書感想文が書いてあるサイト、ある?」 「あったにしても、ダメに決まってるでしょ!」 |
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