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「振り向かずに、このままパソコンの前まで行きましょうか」 「そうだな、ええと……、別の話題に切り換えよう。セキュリティとかどうなんだ」 おじいちゃんとパパは、そろそろと席を立って、パソコンの前に移動しました。 「セキュリティですよね、これも改良されたらしいですよ」 「どんな具合だね。最近は、情報流出とかウイルスとか、もう、心配で心配で」 「ウチにもこの間、プロバイダから警告メールがきましたよ。違法なことをしていなくても、セキュリティホールを見つけて、個人のパソコンに進入して、自動的に内容をバラまくソフトなんていうのまであるらしいですから……」 「それはキケンだな」 「一応、ルータとウイルス対策ソフトを使っていれば、二重の防壁になってるらしいですが。ええと、ビスタで強化されたのは……」 「どれどれ?」 「パソコンの内部でコッソリ活動して、IDやパスワードなんかを集めるスパイウェアっていうのがあるんですけど、その対策として搭載されたのが『ディフェンダー』ってソフトなんです」 「どうやって、使うんだね」 「ソフトを立ち上げて『スキャン』ボタンを押すと、すぐチェックしてくれるんです。新しいソフトを入れたあととか、パソコンを切る前なんかに、一応チェックしておくといいですよね。自動実行って機能もあって、標準では夜中の午前2時に自動的にスキャンしてくれるみたいです」 「ワタシは夜中によく使うんだが……」 「そういう人は設定を変更しておけばいいんですよ」 「ファイアウォールとは防火壁ということかな?」 「そうですね、そういうのを思い浮かべてもらうとわかりやすいかな。パソコンがデータを送受信するには、ポートっていう出入り口を使ってるんですよ。このポート、何ヵ所かあるんですが、使ってないものを閉鎖して、外からヤバいのが入ってこないように監視している門番みたいなものですかね」 「なんだ、いままでそういう機能はなかったのかね、このご時世に」 「Windows XPでもSP2っていうのから使われていたんですが、それも入ってくるヤツだけチェックしてたんですね。ウイルスの中には、何くわぬ顔でコッソリ進入して、大量のデータを持ち出すヤツがあるらしいんですよ。そうすると、入ってくるのをチェックするだけでは足りないので、今度のビスタでは、そういうアヤシイ送信まで確認してくれるようになったんです」 「そりゃ、良かった」 「とはいえ、敵もどんどん進化してますからね。ウインドウズアップデートという機能は常にオンにしておいて、いつでも新しい危険に対処できるようにしておくのが肝心ですよね」 おじいちゃんとパパが熱心に話ていると、スグ横から七海ちゃんが……。 「ふーん、なんかわからないけど、アップデートが大切って、ママとおばあちゃんには報告しておくね」 「うわ、ビックリした。チビッコのスパイか!」 「ほらほら、これあげるから、七海ちゃんも一緒にパソコン、やろうじゃないか」 「わーい、チョコだ。ウレシイな!」 「我々のセキュリティは、とっても甘〜いってことですか」 「わははは。ビスタみたいにビターなわけにはいかないネ!」
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