|
「まぁ、こんなページができているのね」 食事が終わってから、ママとパパは、おじいちゃんが見つけたという友人のブログをみせてもらいました。 「文章を書いて、写真を指定すると、すぐページができちゃうんだよ。ホームページを作るよりもずっと簡単だから、ほんとに流行ってるよ。もともとはもっとテーマのはっきりした情報発信ツールだったんだろうけど、日本人の日記好きなところにマッチしたんだね。日々のなんでもない日記や、お昼ごはんに食べたランチ、子供の成長記録とかほんとにプライベートな話題のページもたくさんできてるよ」 「なんでもいいけど、ケータイで撮影した写真までアップするなんて、知ってる人が読んだらすぐ私ってわかっちゃうわ」 「つい自分の秘密日記みたいな気分で、ネットは誰でも読めるものだっていうところを忘れがちなんだね。個人名は書かれてないようだけど、画像のほうはそれとなく、注意して顔がわからないものに変えてもらうといいんじゃないの?」 「なるほど、さすが、自分でやっているだけあって、広一くんはよくわかってるね。実は、ワタシもブログをはじめてみたいんだが、やり方を教えてくれないかな……」 「やっぱり……。ブログサイトはたくさんありますから、ご自分でお好きなところに登録されたらいいじゃないですか」 「広一くんと同じところがいいな。操作がわからない時も、すぐに聞けるし」 「え、ボクのところですか? あそこは会社の人もたくさん使っているからなぁ。あ、そうそう、おじいちゃんにピッタリな『Re:log(リログ)』っていうサービスがありますよ」 「ほほう、どんなところだい」 「カメラのブログを探してて見つけたんですけどね。ほら、ここです。参加者も、オヤジ世代というか、年齢が比較的高くて、話題も高尚だし、おじいちゃんにピッタリですよ」 「ほほう、なるほど……。ワタシ向けだというのはわかるが……ややこしいことはないかね」 「……わかる範囲でお教えしますよ」 「でもまず、ワタシが聞いた話だと、会員から招待されないと登録できないとか……」 「そんなことないですよ。それは招待制のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のことなんじゃないですかね。ほとんどのブログは自分で登録して始められます。『リログ』では、この左側の『初めての方はこちら』というところをクリックして、会員登録すればいいんです」 おじいちゃんは、パパにみてもらいながら、登録をはじめてみました。 「なるほど、一通り書き込むと、『以下の内容で登録いたします』という確認画面がでて、そのあと、登録したメールアドレス宛にメールが届くんだな」 「本人を確認しているわけですよ。ほら、すぐに『【Re:log(リログ)】登録内容のご確認』というメールが届きましたよ。これで大丈夫。次からは、トップページの『ログイン』ってとこから始めてください」 「登録したメールアドレスとパスワードを入力するわけか」 「パスワードは名前やメアドなんかのわかりやすいものにしないほうがいいですよ。誰かに勝手に盗み見されて使われることだってないとはいえないですからね。パソコンの中やメモに書いて近くに貼ってる人がいたりしますけど、なにがあるかわかりませんから」 「記憶するのは得意だが、思い出すのが苦手な人はどうしたらいいかね」 「そりゃ、記憶術の達人になるとか(笑)。うーん、どうしても忘れそうな場合は、誰にも見られなさそうな秘密の場所に、パスワードとはわからない暗号のようにみせかけてメモするとか」 「なるほど、『踊る人形』の手法を使うのか!」 「……ホームズですか。とにかくこれに限らず、パスワードはしっかり管理してくださいよ」 「おや『ブログ新規登録』ってページになったぞ。ここからどうするんだね」 「ここは、自分のページの管理をする、いわば舞台裏ってとこですか。ページのデザインや、ページのタイトルになる『ブログ名』を書き込んで、URLなんかの細かい要素を決めて『登録』をクリックすれば『ブログ登録完了』ページになります」 「よし、タイトルは『ベーカー街221B』でどうだ」 「そんなこと、ぼくに聞かれてもなぁ。ページのタイトルは内容やテーマがシンプルに伝わるほうがいいとは思いますけど、ま、とりあえず、いいんじゃないですか。ええとですね、あとは『記事管理』のタグをクリックして内容を書いていけばいいんです」 「なんだか細かい設定がまだよくわからないが、とりあえず、日記はこれでできたわけか」 「細かい部分は、ご自分でヘルプを見て調べてくださいよ。ぼくだって、まだ全部理解できてるわけじゃないんですから。そうそう、『状態』を『非公開』にすると、ほかの人は読めなくなるんですよ」 「なんだね、それはワタシのブログは、ひと様にお見せするようなものではないと」 「そんな意味じゃないですってば。操作に慣れてから公開すれば、失敗が少ないっていうことですよ」 |
|
「おじいちゃんもブログを書くのなら、私もやってみようかな」 「ママまでそんなことを……」 「だって、楽しそうじゃない。私はカラオケ日記にしようかな。歌った歌をメモがわりに書いていくの」 「うーん、そういう内容だったら『リログ』じゃないほうがいいかもしれないな。ええと、秋川さんがやってた『CURURU(クルル)』はどうだい?」 パパは秋川さんの日記から、サイトのトップページにジャンプしました。 「なんか、おじいちゃんのところとずいぶん雰囲気がちがうのね。なるほどねぇ。同じようなサービスなのに、それぞれ特徴があるのね。おじいちゃんのところはオヤジ世代、あなたのところは男性向けって印象だったけど、ここはかわいいデザインで女の子向けなのね……。そういうのが好きな人が集まりやすいってわけね」 「まぁ、ぼくなんかがこういうカワイイところで日記書くのは、ちょっと恥ずかしいし、似たような趣味の人たちが集まっているサイトのほうが、気分的にもラクだからね。こっちはどちらかというと、ブログというよりSNSみたいだね。登録は、会員制ってわけじゃなさそうだから、すぐにはじめられるよ」 「そうね、アナタも私がいると気を使うでしょうから」 「あの日記は、もともと上司の紹介っていうだけで、気を使いまくってるし(笑)、もう、日記つけてるのがわかっちゃったんだから、読まれても別にいいけど(笑)。こっちのほうが簡単そうだし、ママ向きだよ」 「あら、登録の時に出身の学校を記入するの?」 「登録の手順なんかは同じようだけど、機能はもっといろいろあるみたいだね。母校は必須項目じゃないから、書かない人もいるかもしれないけど、同じ卒業生どうし、交流することもできる仕組みがあるみたいだから、書いておくと昔の知り合いと連絡がとれるかもしれないよ」 「なんか若い人が多そうねぇ」 「楽しそうでいいじゃないか。ママも若いからぜんぜん問題ないと思うけど、気になるなら、非公開って設定にしておけばいいんだよ。ほら、登録が終わると、おじいちゃんの時と同じように、すぐメールが届いたね。トップページの左にママの名前がでてくるだろ。これをクリックすると自分専用のページになるんだ。しかも、ただ日記を書くだけではなく、クルルームっていう部屋の模様替えをしたり、この人形みたいなキャラクターの着せ替えをしたりできるんだね」 「え、なになに、人形の着せ替え?」 「七海まで興味シンシンになっちゃったわね。それじゃ、ママといっしょにやってみましょうか。」 |
|
このページの上に戻る |