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「えーっと、これはね、パソコンの中に、ほかの人がアクセスできない部分を作って、そこにデータを置いておくことができるってことかな。普段は見えなくて、カードをかざすと、見えるようにしてあるんだね」 「あら、設定すると、ローカルディスクに『F』って領域が……」 「もう一度、カードをかざして、パーソナルシェルターで『非表示』にすると、ほら、さっきの『F』がなくなってるよ」 「ふーん、ヒミツの小部屋ってことね。ほかの人に見られたくない、ナイショのフォルダなんかをしまっておくことができるわけね。なんだかいろんな使い方ができそうね……」 |
「なんだか、ヒミツとかナイショって単語がでてくると、ドキドキしちゃうな……」 「ただいまー!」 「あ、二人が帰ってきたぞ」 「どうだった? ちゃんと使えた?」 「大丈夫だったよー。ほら、パソコンでカードのデータを見て、見て!」 「よおし、見てみるか」 「あら、ちゃんと、使った日時と金額がでてくるのね。残高も……。ええと、この120円は文房具屋さんね。次の582円はコンビニのデザート? まぁ、なんかギリギリまで使って……残金8円……」 「だって、おいしそうなデザートがたくさんあって、アイスとどっちにしようか、迷っちゃったんだもん!」 「しょうがないわねー。それじゃ、みんなでデザートいただきましょうか?」 「あとねー。七海ね、パパのヒミツ発見しちゃったんだ。ね、おじいちゃん!」 「そうそう。大ヒミツ」 「え、なになに?」 「おばあちゃんが昨日見たパパって、やっぱりパパだったんだよ。七海も今日、見たもん」 「ええ?」 「最初、遠くで見た時は、パパが心配して、ついてきたのかと思ったよ」 「まさか……! だって、ずっとママとここで話をしてたんだよ」 「橋向こうの、商店街のイベント広場のところなんだがね」 「パパも行けばわかるよ」 「ぼくにソックリな店員さんがいたとか?」 「ちがう、ちがう!」 「ちょうど、町内会の写真展をやってたんだがね」 「大勢、見に来てたよね」 「それって、おじいちゃんも応募してた?」 「さすが、ママは覚えていたか。もう、半年前に作品提出したから、ワタシも応募したことを忘れてたんだけど」 「おじいちゃんの写真ね、銀賞なんだよ! パパ、カッコ良く写ってて、お星さま付きで貼ってあるんだよ」 「あ、もしかして、商店街で買い物をしている……ぼくの……写真?」 「大当たりー!」 「うわぁ、ハズカシイ〜! スーツ着てるのに、ネギとか大根とか抱えてる写真じゃなかったでしたっけ……。秘密の部屋にでも隠れたい気分……」 「スゴーイ!」 「おばあちゃんたら、知ってたのね!」 「あら、当たり前ですよ。それじゃ、デザート食べ終わったら、みんなそろって、見に行きましょ!」
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![]() ■ パーソナルシェルター
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