災害時には緊急通報を優先させるために通信規制が実施され、電話回線がつながりにくい事態が発生します。しかし、インターネットは情報を「パケット(小包)」に小分けして送信する通信方式のため、東日本大震災の際にもインターネットのサービスを使って連絡をとりあえた方が多くいらっしゃいました。
いざというときのために、電話以外で連絡をとる手段を知っておくことをおすすめします。
災害発生時に電話がつながりにくい状態になった場合に、家族や友人などの安否を知らせるための、さまざまな情報を確認しておきましょう。
電気通信事業を行っている会社では、固定電話・携帯電話・インターネットによって、「災害用伝言サービス」を用意しています。「災害用伝言サービス」には、「災害用伝言ダイヤル(171)」、「災害用伝言板」、「災害用ブロードバンド伝言板(web171)」の3種類があります。
定期的に体験サービスが行われているので、いざというときに使い方にとまどわないよう、ぜひ事前に体験して確認しておきましょう。
また、「災害用伝言サービス」を利用するとともに、緊急を要する連絡がスムーズに利用できるように、不要不急な電話やメールは控えましょう。
●総務省 災害用伝言サービス
●NTT西日本 災害用伝言ダイヤル(171)、災害用ブロードバンド伝言板(web171)
●NTT docomo 災害用安否確認
●SoftBank 災害用伝言板
●au 災害用伝言板サービス
SNSとは「social networking service (ソーシャルネットワーキングサービス)」のことで、mixi(ミクシィ)、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)などが代表的なものとしてあげられます。
友人や知人との間のコミュニケーションを円滑にするサービスや、趣味や嗜好などであらたに人とつながりをもてるサービスを提供しているWebサイトです。
東日本大震災のときには、電話がなかなか通じない中、インターネットが使える状況であったため、TVやラジオのニュースではわからないタイムリーな情報がSNS上で飛び交いました。
たとえば、救助を求めるメッセージがSNSに登録され、孤立していた児童が無事救助されたり、SNSを通じて家族の安否を確認できたりしました。
さらに、自治体がSNSを通じて情報の発信を始めたため、物資の不足や道路の回復状況などがタイムリーに伝わるようになりました。
●SNSに利用登録する
SNSを利用するには、あらかじめ利用の登録が必要です。必要な情報を登録すると利用する際に必要なIDとパスワードが発行されます。
災害時など、いざというときに活用するために、公共機関や自分が住む自治体の公式アカウントをチェックして登録(フォロー)しておくと便利です。また、家族や友人同士でツイッターを開設してフォローし合うことを検討することもよいかもしれません。
●Twitter(ツイッター)
「ツイッター」は小鳥のさえずりという意味です。小鳥がさえずるように、短い書き込みをすることから、名づけられました。
「今何してる?」という入力欄に短い文章を書き込むと、メッセージとしてインターネット上に発信されます。140文字以上は入力できませんが、その手軽さがうけて、ユーザー数が急激に増えていきました。
表示エリアに自分のつぶやきだけでなく、登録(フォロー)した気になる人のつぶやきも時間順に表示されます。
災害時にツイッターを活用する方法は、以下のサイトを参考にしてください。
●Facebook(フェイスブック)
世界最大のSNSがFacebook(フェイスブック)です。ユーザーが約7億人といわれています。地球上のたくさんの人とコミュニケーションができるツールです。また、登録は実名が原則となっているため、匿名で情報がやりとりされる掲示板などより、情報の信頼度が高いとされています。
Facebookは2012年2月27日、大規模災害の発生時に会員間での安否確認が行える「災害用伝言板」機能を、世界に先駆けて日本で開始しました。「無事を報告」ボタンをクリックすることで、家族や知人に無事を知らせることができます。
Skype(スカイプ)はインターネットを使った無料の通話サービスです。パソコンにSkype(スカイプ)のソフトをインストールし、ヘッドセットマイクをセットすると、Skype(スカイプ)同士無料で通話ができます。
Webカメラを取り付けると、テレビ電話も楽しめます。
インターネットが利用できる環境なら通話できるため、東日本大震災のときも、固定電話がなかなか通じなかった中、Skype(スカイプ)は通じたという声もあります。
ただし、Skypeは通常の電話に取って代わるサービスではないため、緊急通報に使用することはできません。
インターネットで流されたデマ
SNSなどを使って、情報のやりとりができるのは大変便利ですが、情報に惑わされないように注意が必要です。
東日本大震災のときにも、根拠のないデマやイタズラがいくつも広がってしまいました。「らしい」「みたい」という伝聞情報には注意してください。また、デマを広めてしまわないために、「みんなに伝えて」や「拡散希望」などの表記を鵜呑みにせず、検索機能等を使い、発言者まで情報をたどってみるなどするとよいでしょう。