1837年モールスにより、電気を使って信号を伝える「電信機」が発明されました。モールス電信機は、送信キーを押して通信を始めると、受信機のコイルに電流が流れ、磁石が作用して鉄片が作用して、紙に刻印する仕組みです。
1844年には、電線をひいて電信の実験に成功しました。その後、電信線は世界各地にはりめぐらされ、人々に利用されるようになりました。日本に伝わった電信機は、1854年ペリーが徳川幕府に送ったものが最初と言われています。
1876年、ベルにより人の声を直接伝えることのできる「電話機」が発明されました。音の空気振動を電気信号に変えて、電話機に送ります。相手の電話機に届けられた電気信号を空気の振動に戻して、受話器から流すと音として伝わります。電話機の発明により、遠く離れた人にも声を届けることができるようになりました。
ベルの発明した電話機は、雑音が多く聞き取りにくいものでしたが、1878年にエジソンが炭素送話機を発明し、電話が広く普及することとなりました。
アレキサンダラ・グラハム・ベル
電話機を発明したアレキサンダラ・グラハム・ベルは、音声学を研究していて、ろうあ学校を経営していました。耳や口の不自由な人のために、音の伝わるときにおこる空気の震えを見せようと、器具を作っていたのがヒントとなり、電話機を発明しました。
●ファクシミリ(FAX)
画像を通信で送ることのできるファクシミリを発明したのは、イギリスのアレキサンダー・ベインです。1843年にファクシミリの原型を発明し、特許を取得しました。電話の登場が1876年ですから、電話よりも30年以上前のことです。
イタリアのグリエル・マルコーニは、ハインリヒ・ヘルツの研究結果をもとに1895年に無線通信の実験を成功させました。さらに1901年には3000kmの大西洋無線通信を成功させ、無線通信の実用化に向けて発展させることになります。
●ラジオ・テレビ放送
無線通信を応用して、カナダ生まれのレジナルド・フェッセンデンが1906年に世界で初めてのラジオ実験放送を行いました。その後1920年にピッツバーグにラジオ局が開局されました。
日本でラジオ放送が始まったのは1925年。「アーアー、聞こえますか。(間)JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります。」というのが第一声でした。
音声だけでなく、映像を通信する研究もすすみました。1884年ドイツのニプコーは、渦巻き状に穴のあいた走査円盤を回転させて、画像をとらえる機械式画像走査器具を発明しました。1925年ジョン・ロジー・ベアードがこのニプコー円板を使った機械式テレビを開発し、人間の顔を送受信することに成功しました。
●コンピューターネットワークとインターネット
コンピューターの登場によって、通信の世界も大きく変化しました。1969年に、米国防総省高等研究計画局により、大学や研究機関でプロジェクトが組まれ、世界で初めてパケット通信ネットワークが運用されました。このネットワーク構成は「ARPANET」と名付けられました。「ARPANET」はその後他のネットワークと融合してインターネットへと発展していきます