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第2回 松江 島根県松江市   島根県松江市は多くの文人に愛された町。なかでも小泉八雲が暮らしたことはよく知られている。八雲の没後100年を迎える今年、城下町、松江をのんびり歩いてみた。
 
「小泉八雲(やくも)」
 日本の夏といえば怪談である。
 『雪女』や『耳なし芳一』といった、誰もが知っている代表的な怪談話の作者小泉八雲(やくも)(ラフカディオ・ハーン)は、ギリシャ系のアイルランド人。初めは新聞記者として来日したが、その後、松江に尋常中学校の英語教師として赴任。冬の寒さに耐え切れず熊本へ引っ越すまでの約 15 か月間を過ごす。短い間ではあったが、町の人々にはヘルン先生と慕われ、士族の娘、小泉セツと結婚するなど松江は彼にとって忘れられない町となった。 八雲の没後100年を迎え、記念式典や国際シンポジウムなどが予定されている今年、八雲が「神々の国の首都」と称した山陰の静かな城下町、松江を歩いてみることにした。
「松江城へ」
 早速、松江駅を起点に松江城へ向かう。松江城は全国で現存する 12 か所の天守閣のうちのひとつで、山陰では唯一のもの。 24 畳ほどの最上階からは四方が開け、市内を一望する。暗い城内を上がってくるので、明るさと高さにクラクラしたが、南に宍道湖、東に大山を望む眺めは素晴らしい。八雲は、天守閣を権威の象徴として好きではなかったというが、ここから見る宍道湖の美しさには感動し、また湖面に浮かぶ嫁ヶ島という小さな島の名前が面白いと、一緒に来た学生たちに感想を述べたという。 景色を満喫した後は急な階段に気をつけながら天守閣を下り、木々の鬱蒼とした城山を5分ほど北へ向かうと八雲のお気に入りだった場所がある。勤務先の学校への行き帰りによく立ち寄ったという城山稲荷神社だ。境内にはずらりと石の狐、お稲荷さんが並び、大きさや表情もさまざま。八雲が特にほめていたという狐もあり、上品な顔立ちを見せていた。
 
「城下町の面影残す塩見縄手 八雲の愛した暮らしを思う」
 城山稲荷神社を出て再び歩き始める。堀を越えて右に行き、信号の交差点をまた右に曲がると、そこからは城下町そのものの光景が広がる。縄のようにまっすぐ延びているところから塩見縄手といわれる通りの右側には、幹が大きく曲がった老松が堀の水面に影を落とし、左側には武家屋敷の塀が続く。
小泉八雲旧居
  その武家屋敷のひとつが小泉八雲旧居(250円/9時〜 17 時/無休)。幕末に建てられた松江藩士のこの家で、八雲は明治 24 年 6 月からの約5か月間を妻セツとともに過ごした。身長が157cmほどと小柄だったため、天井の低い日本式の住居でも特に不自由はなかったという。居間からは小さいながらも立派な庭が見え、目の前で蛙が池に飛び込んだ。
 八雲はこのお気に入りの庭を眺めながら「知られざる日本の面影」を書き、日本の文化や風俗を世界に紹介した。当時の西洋人としては珍しく日本への偏見がなく、むしろ日本にあこがれていた八雲は、来日前に英訳の古事記を読んでいたというから驚きだ。
 
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