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地下鉄の春日(かすが)駅で降り、駅上にそびえる文京区のシビックセンターへエレベーターで上がる。25階が展望ラウンジ(無料/年末年始休/9時〜20時30分)として開放されているのだ。
古い町並みを残す本郷の町は、台地と坂が複雑に入り組み路地が迷路のようになっている。高所からまず町を俯瞰(ふかん)しておこうという算段だ。結論を先に言えば、これが正解だった。方角、地勢を頭に入れ、地上に降りて歩き出した。
春日通りを東へ10分ほど進むと文京ふるさと歴史館(100円/月曜休/10時〜17時)がある。ここには、本郷の歴史やゆかりの人物などが分かりやすく展示されている。詳細な地図(100円)もあるので、ぜひ訪れよう。
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館長の宮前さんに「本郷の町歩きの楽しみは、迷うことです。楽しんで来て下さい」と見送られ、炭団(たどん)坂を下りる。実際に歩いてみると本当に坂が多い。東京にある433の坂のうち、113の坂がここ文京区に集中しているという。
炭団坂の横には坪内逍遥旧居跡、坂を下りてすぐ右には宮沢賢治の旧居跡、文学史上のビックネームが次々と出てくる。坂と文学と、そしてもちろん大学の町だと、今さらながら感じた。
しかし、目的の樋口一葉の旧居跡が分からない。軒先で包丁を研いでいたおじいさんに聞くと、「最近見に来る人が増えたけど、大方迷うね。そこの路地だよ」と包丁の刃先を向けて教えてくれた。
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