121ware 閉じる

あなたの山歩きがパソコンでさらに広がる 山とパソコン 11月号 毎月1回更新 監修 山と溪谷社 山と溪谷社
 
1.誰にも負けない!山のデジタル写真 第1回 デジタルカメラの基礎知識 監修:畠山高
 
  美しい山の風景や記憶を持ち帰るのには、手軽に写せるデジタルカメラがぴったりです。むずかしく考えないでも最近のデジタルカメラはよく写りますから、オートでどんどん撮影しましょう。撮った後はパソコンを活用して大きくプリントしたり、パノラマ写真を合成する、オリジナルのポストカードを作るなど楽しみはいろいろです。また、メールで写真を仲間に配信するのも簡単ですから、みんなで楽しめます。
 
デジタルカメラとフィルムカメラの違い

 
  フィルムカメラでは、レンズを通ってきた光がフィルムに塗布された塩化銀を化学変化させ、そのフィルムを化学的に現像処理して画像を形成します。これに対して、デジタルカメラでは、撮像素子(CCDやCMOSなど)で光を受け、それを電気信号に変えてデジタルデータとして画像をメモリーカードなどに保存します。
  単純にいえば、フィルムを撮像素子に置き換えたものがデジタルカメラで、画像をフィルムに保存する代わりにデジタルデータの状態で保存します。
 
デジタルカメラのおもな長所

・手軽に写せる
  撮影できる枚数はメモリーカードの容量によりますが、容量がいっぱいになったら別のメモリーカードに差し替えればいいだけです。フィルムを交換するよりもはるかに簡単で、大容量のメモリーカードなら、交換の手間もあまりいらなくなります。
  デジタルカメラは基本的に液晶モニターを装備しています。撮影した直後にピントや露出、構図や撮影タイミングなどを液晶モニターで確認できるのが最大の利点です。失敗作はその場で消去して、すぐに写し直しができます。
  また、撮った画像をパソコンやテレビですぐに見られます。

メモリーカード

  コンパクト・デジタルカメラに採用されているおもなメモリーカードは、SDカード、コンパクトフラッシュ(CFカード)、xDピクチャーカード、メモリースティック、スマートメディアなどの数種類です。種類別には価格差は少なく、おもに容量、記録速度と消費電力などで価格が決まっています。ただし、同性能のものでもメーカーによっては価格差が大きい場合がありますから、比較するとよいでしょう。なお、種類だけでなくメーカーとのマッチングもありますから、購入しようとしているメモリーカードが自分のデジタルカメラに対応しているかを確認することが大切です。パソコンショップで公表している対応表を参考にしたり、カメラ店で確認しましょう。

左がSDカード、右はコンパクトフラッシュ
(左がSDカード、右はコンパクトフラッシュ)

・ズームやマクロ機能がアップ

  コンパクト・デジタルカメラの多くがズームレンズを装備しています。さらに電子的に画像を拡大するデジタルズーム機能を使えば、もっとアップの写真が撮れます(ただし、画像は劣化します)。
  また、切り替え式のマクロ機能を備えたものがほとんどで、フィルムカメラよりも近接撮影がしやすいのも利点です。小さな花や高山植物を大きく写せます。
・ISO感度を簡単に変えられる

  ほとんどのコンパクト・デジタルカメラは、撮影時のISO感度を自動あるいは手動で2〜3段階は変えられます。暗い場合には感度を上げて撮影すれば、ブレが少なくなります。

・ランニングコストが低い

  フィルム代と現像料金がかからず、保存するメディアもCD-Rならかなり安くなります。プリント料金も自分でプリンターで出力すれば、コストを抑えられます。

・画像データが保管しやすく、保存性もよい

  画像はデジタルデータですから、パソコンのハードディスクや各種メディア(CD-RやMOなど)に保存しておけば整理や保管が容易です。コピーも簡単にできます。また、フィルムのように退色することもありません。MOの場合で、50年以上の保存性があるといわれています。データをコピーし直していけば、半永久的に保存できることになります。
左がMO、右はCD-R
(左がMO、右はCD-R)
 
ページトップへ
 
コンテンツ
  1.誰にも負けない!山のデジタル写真
  2.今月のおすすめの山
  3.はじめてみよう!山歩き
  山のオリジナル壁紙
  今月号のプレゼント
  トップへ戻る


用語解説
撮像素子
レンズにより結像された画像の光量をデジタル信号に変換する素子。基本的にはフィルムと同様のシステムで、光の三原色それぞれの強弱を電子化してデジタルデータとする。フィルムのハロゲン化銀粒子に相当するのが一般的に画素と称されるもので、画素数が多いほど記憶データ量が多くなり、精細な画像を再現できる。また、撮像素子の大きさはいろいろで、コンパクト・デジタルカメラには1/3.2型、1/2.5型、1/1.8型(6.9×5.2mm)などの小さなものが多く使われている。撮像素子が大きいほど、画像の再現性や感度などの点で有利になる。構造的にいくつかの種類があり、デジタルカメラにはCCDやCMOSと呼ばれる撮像素子が多く使われている。

マクロ機能
近接撮影機能のこと。コンパクト・デジタルカメラに装備されているレンズは、通常は50センチ程度の距離までしかピントが合わないが、マクロ機能を使えば、もっと近距離の被写体を写すことが可能になる。言い換えると、小さな被写体でも近寄って、アップで写せるようになる。スイッチで通常撮影とマクロ撮影とを切り替えるタイプが多い。

ISO感度
写真フィルムが光を感じる速さ(スピード、感度)を表す単位。デジタルカメラではフィルムではなく撮像素子なので、ISO100相当と表記されることが多い。感度が高い(数字が大きい)ほど弱い光にも感じやすいので、暗い場所でも速いシャッターを切れることになる。

JPEG形式
フルカラー静止画像を高い圧縮率(画質)で処理する形式。画像が小さくできる。

メディア(記録メディア)
デジタルデータを記録する媒体のことで、CD、MO、DVD、FDなど多種多様なものがある。デジタルカメラのメモリーカードもメディアの一種。

透過式ファインダー
フィルム用のコンパクトカメラに通常装備されている、のぞき窓状のファインダーのこと。のぞくと、撮影範囲を示すフレームが見えるようになっており、明るく、見やすいのが特長。しかし、実際に写すレンズを通して被写体を見ているわけではないので、ファインダーで見た被写体と写した画像とにズレ(視差)が生じる。近距離の撮影ほど、この傾向が強くなる。この欠点を解決したのが一眼レフで、撮影レンズを通した画像をファインダーで見られるので、視差がない。
コンパクト・デジタルカメラの透過式ファインダーは、ほとんどが撮影範囲を示すフレームを省いた簡易型なので、視差がより大きくなりがちだ。これは、液晶モニターを使って撮影することを重視した設計で、ファインダーは補助的に考えられているからだ。

レンズの画角
レンズで写せる範囲のことを画角という。これは、レンズ前面の何度の範囲が写せるかという意味。この画角は、レンズの焦点距離(ズームだと○○mm〜□□mmと表示される)と撮像素子の大きさで決まってくる。そのため、同じ焦点距離のレンズを使っても、撮像素子の大きいデジタルカメラほうが画角が広くなる。そこで、デジタルカメラの場合には35mm判フィルムカメラに換算してレンズの画角を表記するのが一般的だ。

コンバーター(コンバージョン・レンズ)
コンパクト・デジタルカメラのレンズは固定されており、交換できない。そこで、焦点距離を変換するためにレンズ前面に装着する補助レンズがコンバーター。レンズをより広角にするのがワイドコンバーター、より望遠にするのがテレコンバーター。カメラメーカーの純正品とアクセサリーメーカーの汎用品がある。ただし、デジタルカメラの機種によって装着できるものとできないものとがあるので、確認が必要。

 
次のページへ

|1.誰にも負けない!山のデジタル写真|2.今月のおすすめの山3.はじめてみよう!山歩き
山のオリジナル壁紙今月号のプレゼントトップへ戻る
 
NEC Copyright(C) NEC Corporation, NEC Personal Products,Ltd.