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近郊の山や低山への日帰りの山歩きに慣れてきましたら、次は山小屋を利用した泊まりがけの山歩きにステップアップしましょう。山小屋を利用することで、日帰りでは無理な長いコース、アクセスの関係で日帰りできないコースなどにも行けるようになります。また、山小屋に泊まっていれば、夕暮れ時や早朝の美しい山の風景にも出会うことができます。来シーズンの夏には山小屋泊まりの山歩きができるように、準備と心構え、トレーニングをしておきましょう。 |
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◇山小屋1泊での山歩きの計画を立てる |
日帰りの山歩きの計画に準じて、行動計画を立てます。本講座の「第2回 計画を立てて、山に行こう」を参照してください。まず、山小屋への到着を午後3~4時に設定して、歩きはじめからの行動可能時間を算出し、宿泊する山小屋を決めます。翌日は朝から出発できますから、行動時間は充分にあります。これが山小屋利用の山歩きのよいところで、のんびりと山を楽しめます。なお、山小屋は予約しなくとも泊まれますが、出発前に予約するように心がけてください。
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原生林に囲まれた北八ヶ岳・黒百合ヒュッテ |
登山口に建つ北八ヶ岳・麦草ヒュッテ |
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◇山小屋とは |
山小屋は、登山口や登山コースの途中に建てられている宿泊施設で、山歩きの拠点として利用されています。山小屋には、管理人が常駐している営業山小屋と無人の避難小屋とに大別されます。登山者が一般的に利用するのは営業山小屋で、寝具が備えられ、食事が提供されます。宿泊料金は山域、立地条件、設備などによって異なりますが、2食付で7000円くらいから1万円くらいが目安です。また、頼んでおけば、翌日の昼食弁当を用意してくれる(1000円程度)山小屋も多いです。 |
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◇山小屋の開設期間 |
それぞれの山小屋で立地条件や運営状況が異なりますから、通年営業、季節営業、週末やピーク時のみの変則的な営業など、開設期間はさまざまです。計画時ないし利用時に予約を兼ねて、宿泊予定の山小屋に開設期間を電話確認しましょう。山小屋への連絡先は、現地の場合と山麓の連絡所の場合とがあります。連絡先は登山ガイドブックや観光協会などで調べられます。 |
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◇山小屋の設備 |
山中などアクセスの不便な場所に建てられている山小屋は、必要最小限の設備を備えた宿泊施設です。ホテルや旅館、民宿などの一般的な宿泊施設に比べれば、設備やサービスはとても簡素化されています。浴室はないのがふつうですから、ウエットティッシュなどを持っていると重宝します。電気は発電機で供給されていますので、ヘアドライヤーなどは使用できません。また、消灯時間が決まっており、以降は発電機が止められます。
・受付、売店
玄関を入ると、宿泊の申し込みや会計をする受付があります。売店を兼ねていることが多く、記念品や簡単な食料、フィルムや電池なども手に入ります。タバコは、ほとんど売っていませんから、愛煙家は予備を忘れないように。
・広間
山小屋の宿泊は相部屋がふつうなので、広間に布団を並べて大勢が就寝します。ピーク時にはかなり混雑するのを覚悟しておきましょう。
・個室
グループや家族で利用できる個室を備えた山小屋も増えてきました。予約が必要で、宿泊は個室料金が追加されます。宿泊客の多い時期には個室を利用できないことがあります。
・食堂
食事は食堂で摂ります。宿泊客が多いときには、食事時間が何回かに分けられる場合がありますから、従業員や館内放送に従って速やかに食事を済ませましょう。
・乾燥室
湿った衣類などを乾かす簡単な設備はほとんどの山小屋にあります。他の人のことも考えて、こぢんまりと干しましょう。
・トイレ
別棟に設置された簡易な施設が多いのですが、最近はバイオ式など設備が改善されつつあります。トイレットペーパーが備えられていない場合がありますので、持参しましょう。また、使用済みのペーパーは別容器に捨てるシステムの場合がありますから、使用の注意書きなどをよく読みましょう。
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1 寝室となる大広間に布団を並べて就寝する 2 上下二段式の寝室
3 テーブルとイスの食堂。和室の食堂もある 4 乾燥室のスペースは譲り合って
5 トイレも改善されつつある)
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