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あなたの山歩きがパソコンでさらに広がる 山とパソコン 11月号 毎月1回更新 監修 山と溪谷社 山と溪谷社
 
1.誰にも負けない!山のデジタル写真 第3回 パソコンと画像のレタッチ 監修:畠山高
 
 コンパクトデジタルカメラで撮影した画像データは、まず最初にパソコンのハードディスクに保存します。次に、画像を整理して電子アルバムを作ったり、プリンターで写真をプリントします。また、CD-Rなどのメディアに画像データを保存できます。
 なお、フルオートのコンパクトデジタルカメラで撮影した画像データは、そのままでも充分に美しいはずですが、データによってはレタッチ(修正)が必要な場合がありますし、レタッチによってもっと見栄えのある写真にすることもできます。今回は、よく使われる基本的なレタッチとパノラマ写真の作り方を説明します。
 
快適に画像処理できるパソコンは

 文字をメインに扱っている場合に比べ、写真データなどの画像を快適に処理する場合には、データを処理するCPUの速度が速く、処理データをいったん保存するメモリー容量が大きく、さらにハードディスクの容量が大きいものが必要です。

 いずれも、できるだけ大きいに越したことはないのですが、Windowsパソコンで具体的には、CPUが1GHz以上、メモリーは512MB以上、ハードディスクは40GBくらいが目安になります。最新型のパソコンであれば、ほとんどこの条件を満たしているでしょうが、メモリーが少なければ増設しておきましょう。データを保存するハードディスクの容量が足りなくなった場合には、外付けのハードディスク・ドライブを増設すれば、簡単に対応できます。

 
 
どのレタッチ・ソフトを選ぶか

 パソコンあるいはデジタルカメラの購入時にレタッチ・ソフトが付属している場合が多いのですが、別途に購入するのであれば、使い勝手がよく、汎用性の高いAdobe Photoshop Elements 3.0がおすすめです。プロ用の定番レタッチ・ソフトPhotoshopの簡易版ですが、基本的な機能を備えた上に、初心者にも扱いやすいソフトです。ほかのレタッチ・ソフトでも同じような手順で操作できますから、以降、Adobe Photoshop Elements 3.0で説明します。ソフトの基本的な操作法については、説明書やヘルプを参照してください。
 
暗い写真を明るくする

 自動露出で写した写真でも、場合によってはアンダー(暗い)になってしまうこともあります。とくに逆光や真っ白い花を画面に大きく取りこんだ場合などに、アンダーになりやすいものです。前回説明しましたように、こんな場合には露出補正するわけですが、補正量が足りないとアンダーになってしまいます。

 こんなときには、[レベル補正]でシャドウ、中間調、ハイライトを整えて、明るさを調整します。手順は、Elements 3.0の画面に調整したい画像を表示し、メニューバーの[画質調節]→[ライティング]→[レベル補正]に進みます。調整は、以下の手順で進めます。

1 オリジナルの画像はアンダーになっています。 1 オリジナルの画像はアンダーになっています。
 
2 右の△をヒストグラムの山に合わせます。入力レベルの数値が変わります。 2 右の△をヒストグラムの山に合わせます。入力レベルの数値が変わります。
 
3 真ん中の△を左にずらして画像を明るくします。入力レベルの数値が変わります。 3 真ん中の△を左にずらして画像を明るくします。入力レベルの数値が変わります。
 
4 画像を明るくすると、彩度やコントラストが不足しがちですから、色調を補正します。メニューバーの[画質調節]→[カラー]→[カラーバリエーション]に進み、この場合では、ハイライトを明るくし、レッドを強くして色を整えています。

なお、画面の色調や彩度を細かく調整する場合は、メニューバーの[画質調節]→[カラー]→[色相・彩度]とクリック。[編集]をプルダウンして各色を指定し、[色相]、[彩度]、[明度]を調整します。たとえば画像が黄味がかっていたら、[編集]で[イエロー系]を選び、[彩度]をマイナスして調整します。
4 画像を明るくすると、彩度やコントラストが不足しがちですから、色調を補正します。メニューバーの[画質調節]→[カラー]→[カラーバリエーション]に進み、この場合では、ハイライトを明るくし、レッドを強くして色を整えています。
なお、画面の色調や彩度を細かく調整する場合は、メニューバーの[画質調節]→[カラー]→[色相・彩度]とクリック。[編集]をプルダウンして各色を指定し、[色相]、[彩度]、[明度]を調整します。たとえば画像が黄味がかっていたら、[編集]で[イエロー系]を選び、[彩度]をマイナスして調整します。
 
5 レタッチ後の画像。 レタッチ後の画像。
 

 なお、レタッチ後の画像の最終的な保存は、メニューバーの[ファイル]→[別名で保存]に進み、オリジナル画像とちがうファイル名をつけて保存します。こうすれば、オリジナル画像もそのまま残って保存されます。

 アンダーとは逆に明るすぎる画像の場合も、同様の手順で補正できます。ただし、明るすぎて白飛びしてしまった部分は色がありませんから補正できません。
  また、ヒストグラムによるレベル補正ではなく、メニューバーの[画質調節]→[ライティング]→[明るさ・コントラスト]でも簡単に画像の明暗とコントラストの調整はできます。

 
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用語解説
レタッチ
画像を修正、加工や合成すること。デジタルカメラで撮影した画像を作品としてきちんと仕上げるためには、レタッチが欠かせない。いろいろなレタッチ・ソフトがあるが、機能性に定評があり、汎用性が高いのがAdobe Photoshop。撮影後の写真画像を自然な感じに仕上げる、自分のイメージに合わせるなどのレタッチの他、写真を素材として作品を創作するなど多様に使用されている。

ヒストグラム
画像の明暗分布のデータを柱状に表すグラフのこと。横軸の幅は光の許容範囲で、右に外れる(左があく)と白飛び、左に外れる(右があく)と黒つぶれになる。左右幅の中にグラフがきちんと収まっていることが望ましい。縦軸は画像の分布量を示す。

白飛び(しろとび)
フィルムのラチチュード(露出許容範囲)と同様にCCDなどの撮像素子にはダイナミックレンジと呼ばれる、受けられる光量の許容範囲がある。この範囲を超えた光の色は再現できず、明るすぎると「白飛び」といって、色がなくなってしまう。逆に暗すぎると、「黒つぶれ」といって、真っ黒につぶれてしまう。

JPEG(ジェーペグ)画像の保存
JPEGは、データを圧縮して保存する画像ファイル形式なので、画質を維持するためには低圧縮率で保存するのが望ましい。レタッチ後、[別名で保存]の際に圧縮率(画質)を選べるので、[最高(低圧縮率)]で保存するとよい。また、レタッチして保存を繰り返すたびに画質が劣化してしまうので、1回のレタッチで仕上げることが肝心。レタッチをやり直すのであれば、オリジナルから作業し直す。

ろしゅつほせい
透明なシートのようなもの。画像を1枚の画像をいくつかの層に分け、それぞれで画像の加工や編集ができる。合成など複雑なレタッチ作業のときに便利に使える。

ひしゃかいしんど
Photoshopなどのレタッチ・ソフトで、画像の境界のコントラストを上げてシャープにする機能。とくにプリント時に有効だが、かけすぎると粗くなってしまうので、控えめにしておくほうが無難。レタッチの最後の段階でかけるのが基本。

 
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