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あなたの山歩きがパソコンでさらに広がる 山とパソコン 11月号 毎月1回更新 監修 山と溪谷社 山と溪谷社
 
3.はじめてみよう!山歩き 第2回 計画を立てて、山に行こう 監修:佐々木亨
いつ、どこの山域のどんなコースを歩くのか
仲間と一緒に山歩きを楽しみましょう 仲間と一緒に山歩きを楽しみましょう
  安全に山歩きを楽しむためには、しっかりした計画を立てる必要があります。まず、出かける期日と目的地を決めましょう。山歩きのコース選びが計画を立てるための基本です。

 といっても山歩き入門者にとっては、どこに行けばよいのか見当がつかないでしょう。そこで、まずコース選びの資料となるガイドブックやパンフレットを集めましょう。そこから入門者・初心者向きのコースをいくつか探し、さらに自分好みのコースを選べばよいでしょう。もちろん、知り合いに山歩きの経験者がいれば、相談してみましょう。

 なお、ひとりきりで山歩きに行くのは絶対に避けましょう。経験者に同行してもらうのがいちばんよいのですが、無理であれば、家族や友人と一緒に行くようにしましょう。自分と同じような初心者でも、仲間がいれば心強く、楽しく歩けるはずです。
 
入門者・初心者向きのコース選びのポイントは
 山歩きのコースは、歩く人の体力や技術に見合っているとともに楽しく歩けるかどうかが選択のポイントです。単に入門者や初心者に向いている、安全で楽なコースというだけでなく、春の新緑、夏の花、秋の紅葉など美しい自然に恵まれているのか、展望のよいポイントがコース中にあるのかなどもチェックしましょう。

 登山やハイキングのガイドブックには、かならずコースの難易度が記載されているはずです。まず、その難易度が、「入門者・初心者向き」あるいは「ファミリー向き」などと表記されており、コースタイム(歩行時間)が2〜3時間、長くても4時間程度のコースを選びましょう。次にコースガイドの本文に目をとおしておきます。登山道や遊歩道がよく整備されているのか、道に迷う心配がないか、危険な箇所がないか、多くの人が訪れるコースかなどの点をチェックします。あまり人が行かないようなコースですと万が一のときに危険ですから、人気のコースを選んだほうがよいでしょう。

よく整備された人気コースは安心して歩けます よく整備された人気コースは安心して歩けます よく整備された人気コースは安心して歩けます よく整備された人気コースは安心して歩けます
よく整備された人気コースは安心して歩けます よく整備された人気コースは安心して歩けます よく整備された人気コースは安心して歩けます よく整備された人気コースは安心して歩けます
 
日帰りなら小型ザック、山小屋泊まり1泊なら中型ザック
 とりあえず歩くコースが決まったならば、次に山歩きのスケジュールを立てましょう。コースの行動スケジュールだけでなく、日程も含めて家を出てから帰宅するまでの全体のスケジュールを考えなければなりません。

  まず歩くコースの行動スケジュールを考えます。ガイドブックなどに表記されているコースタイム(歩行時間)は目安の時間ですから、体力や体調、年齢などによって左右されます。この点を考慮し、さらに休憩時間をプラスして1日の行動時間を算出します。たとえば、コースタイムが4時間、休憩時間が小休憩15分を2回・大休憩30分を1回とすると計5時間になります。これに体力的な余裕時間(個人差がありますが)を、たとえば30分加えると現地での行動時間は5時間30分になります。

  次に登山口までのアクセスおよび帰宅するためのアクセスを考えます。マイカーを使うのであれば現地での行動時間はさほど気にせずともよいのが利点です。ただし、車を駐車した場所まで戻らなければなりませんから、周回あるいは往復のコースしか選べません。また、現地までの道のりの往復を運転しなければなりませんから、体力的につらくなります。事故を起こさぬように慎重に運転しましょう。

  一方、電車やバスなどの公共交通機関を使う場合には、所要時間と便数や発着時間が問題です。時刻表をよく検討して、現地での行動時間に余裕があるかを確認しましょう。日帰りが無理であれば、前日に現地近くに泊まることになります。なお、日帰り可能であっても、ぎりぎりのスケジュールを組むよりも前日に1泊したほうが山歩きの行動が楽になります。無理をせず、ゆっくり山歩きを楽しみましょう。

  実際に、今号の「今月のおすすめの山・霧ヶ峰」でシミュレーションしてみましょう。電車とバスを利用して東京都内からアクセスする場合の例です。

6:00 家を出発

6:50 JR新宿駅着
7:00 JR新宿駅発 スーパーあずさ1号
9:07 JR茅野駅着
9:30 茅野駅発 諏訪バス(土・日・祝祭日ダイヤ)
10:24 車山高原着
10:35 展望リフト乗車
10:50 展望リフト降車
↓  行動時間5時間30分
↓ (コースタイム4時間+休憩時間1時間+余裕時間30分)
16:20 車山高原着(さらに30分の余裕がある)
16:50 車山高原発 諏訪バス 
17:45 茅野駅着
19:05 JR茅野駅発 スーパーあずさ34号
21:05 JR新宿駅着
21:15 JR新宿駅発
22:05 帰宅
 
※シミュレーションしてみると、首都圏から霧ヶ峰には日帰りで行けることがわかります。なお、車山高原発茅野駅行きの最終バスは18時15分発で19時13分到着、茅野から新宿行き最終のスーパーあずさ36号は20時30分発で22時37分到着ですから、時間的にはもっと余裕があります。同様にシミュレーションしてみると名古屋からは日帰りが可能ですが、大阪からですと現地までの所要時間が長いために行動時間が足りなくなってしまい、日帰りは不可能です。
※電車やバスの運行ダイヤは急に変更になることもあります。出発日直前にもう一度時刻表を確かめておきましょう。(上のシミュレーションは8月25日調べですから、交通機関のダイヤが変更されている場合があります。)
交通機関の運行ダイヤは事前に必ず確認しましょう
交通機関の運行ダイヤは事前に必ず確認しましょう
 
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コンテンツ
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チェックポイント
【山歩きのコース設定

・往復型   登山口から目的の山頂などまで、同じコースを往復します。単純なコース設定ですが、登ってきた道を戻るので安心です。
     
・周回型   登山口から登りと下りのコースを変えて、周回して最初の登山口に戻ります。コース全体で変化のある山歩きが期待できます。マイカー利用の山歩きに適しています。
     
・縦走型   いくつかのピークなどを通過して、登山口とは別の場所へ下山します。行きたいポイントを結んで効率のよい山歩きができます。ただし、登山口と下山口の両方の交通アクセスを考えなければなりません。
 
 
チェックポイント
【 コースタイム】
登山のガイドブックや登山用の地図に記載されているコースタイムとは歩行時間のことです。「成人男子が無理なく歩ける所要時間」というような目安で、休憩時間は含まれていません。体力や年齢によって歩行速度は異なりますから、コースタイムはあくまでも参考だと考えて、時間に充分余裕をもったスケジュールを組んでください。何回か山歩きの経験を積んでくると、コースタイムと自分のペースとの差が読めるようになります。
 
チェックポイント
【休憩のタイミング】
快適な山歩きのためには、ゆっくりとマイペースで歩きましょう。疲労が蓄積しないように適度な休憩をとることも大切です。歩きはじめは体が慣れていませんから、30分ほど歩いたら10分くらいは休憩しましょう。以後は1時間ほど歩いたら10分程度の休憩をとるというのが一般的な山歩きのペースですが、初心者の場合には30分ほど歩くごとに少し休憩したほうがいいでしょう。もちろん、疲れたらいつでも休憩します。無理にがんばっては、山歩きが楽しくなってしまいます。行程の半ばを過ぎてから、食事時間とともに30分ほど充分に休憩します。リフレッシュして後半の歩きに備えましょう。
 
 

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