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PCこだわりスペシャルレポート ::開発者インタビュー
彼女たちのPC
report2 試練を乗り越えて
1 世の中に新しい価値を提案したい2 突然のコンセプト変更3 言葉の壁が誤解を生む4 誕生日もクリスマスも仕事一色5 チームで動けたからこそできた製品
台北から戻った二人を待ち受けていたのは、突然のコンセプト変更という『事件』だった。順風満帆で進んでいたかに見えた保谷と丸川のPCだが、世界観を広げろという商品戦略部門からの命令に近い指示に、二人の心は揺れた。彼女たちは、この試練を、どうやって乗り切ったのだろうか。そこには、チームとしての仕事があった。今回は、前回に引き続き、出荷直前までの彼女たちをレポートしよう。
1 世の中に新しい価値を提案したい
2003年10月23日。デザイナーの勝沼潤は、東京・田町の森永ビルの会議室に集まった関係者に対して、できあがったばかりのモックアップを披露、そのコンセプトを熱く語った。もちろん、このモックアップが、保谷と丸川が取り組んでいる新LaVie Nのものであるのはいうまでもない。
 コンセプトはナチュラルアンドニート。傍らに寄り添うパソコンのイメージだ。自然な使い心地とすっきりしたキレイさを持ち、家の中に置かれていながらも、そこには、お気に入りのカフェのような空間が演出されるという。

勝沼
勝沼潤
「イメージを商品として実現する為の全ての局面に関わって行きたい」勝沼潤/NECデザイン デザイングループ2 エキスパートデザイナー

プレゼンテーションの様子
コンセプトを理解してもらうため、プレゼンには自然と熱がこもる
「モックアップレビューでは、自分のデザインが、いかにいいものであるかを、みんなに納得してもらわなければなりません。一種の売り込みです。プレゼンテーションも気合いを入れて説明しないと理解してもらえません。
 保谷さんたちとは常に話をしているので不安はないんですが、モックアップそのものが、自分の意図通りにできてくるかどうかわからないので、ちょっとした不安もあります。それに、現場からはちょっと離れたところでプロジェクトを見ている関係者たちなどの感覚に訴えられるかどうかも不安です。
 デザイナーって、最終的にきれいだったり、かっこいいものを作るだけでいいと思われがちですが、それだけではありません。気取った言い方をすれば、世の中に新しい価値を提案する立場じゃないですか。だから、自分としては、物作りの局面で、自分のイメージにあったものを商品にするすべての過程に関わりたいと思います。この商品は最初から声をかけてもらって、ずっとやってきたし、そういった意味で思い入れが深いですね。自分の考えたことがそのままカタチになった気がします。アイディアを、意見として出せば、それを拾ってくれるみんながいるというチームの仕事ができました。提案しがいがありましたね」
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