2003年10月23日。デザイナーの勝沼潤は、東京・田町の森永ビルの会議室に集まった関係者に対して、できあがったばかりのモックアップを披露、そのコンセプトを熱く語った。もちろん、このモックアップが、保谷と丸川が取り組んでいる新LaVie Nのものであるのはいうまでもない。
コンセプトはナチュラルアンドニート。傍らに寄り添うパソコンのイメージだ。自然な使い心地とすっきりしたキレイさを持ち、家の中に置かれていながらも、そこには、お気に入りのカフェのような空間が演出されるという。
勝沼 |
「モックアップレビューでは、自分のデザインが、いかにいいものであるかを、みんなに納得してもらわなければなりません。一種の売り込みです。プレゼンテーションも気合いを入れて説明しないと理解してもらえません。
保谷さんたちとは常に話をしているので不安はないんですが、モックアップそのものが、自分の意図通りにできてくるかどうかわからないので、ちょっとした不安もあります。それに、現場からはちょっと離れたところでプロジェクトを見ている関係者たちなどの感覚に訴えられるかどうかも不安です。
デザイナーって、最終的にきれいだったり、かっこいいものを作るだけでいいと思われがちですが、それだけではありません。気取った言い方をすれば、世の中に新しい価値を提案する立場じゃないですか。だから、自分としては、物作りの局面で、自分のイメージにあったものを商品にするすべての過程に関わりたいと思います。この商品は最初から声をかけてもらって、ずっとやってきたし、そういった意味で思い入れが深いですね。自分の考えたことがそのままカタチになった気がします。アイディアを、意見として出せば、それを拾ってくれるみんながいるというチームの仕事ができました。提案しがいがありましたね」 |
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