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あなたの山歩きがパソコンでさらに広がる 山とパソコン 10月号 毎月1回更新 監修 山と溪谷社 山と溪谷社
 
3.はじめてみよう!山歩き 第3回 山歩きの基本技術 監修:佐々木亨
■疲れにくく、安定した歩き方とは
  山を歩くのは、都会での日常的な生活で道路を歩くのとはちがいます。必要な装備や食料などを自分で背負って、長時間歩かなければなりません。しかも、舗装された平らな道ではなく、凹凸のある登山道を登り下りしなければなりません。  そのため、自分の体力や経験を考慮してマイペースでゆっくりと歩くことが肝心です。無理をして事故を起こさないように、楽しい山歩きを心がけましょう。
 
登山口での準備
  出発前にストレッチ運動をして体をほぐしておこう
   
  出発前にストレッチ運動をして体をほぐしておこう

 登山口に到着したら、天候の具合と自分の体調をチェックしましょう。天気が崩れそうな場合や体調が思わしくない場合には、山歩きは控えましょう。問題がなければ、地図や案内板で歩くコースを確認し、帰路の交通機関の時刻なども再確認しておきます。

 軽く準備運動をしておくことも大切です。体の筋肉、とくに手足や膝、腰の筋肉をほぐしておくことは捻挫などケガの予防につながります。歩き出す前に、身支度をきちんと整えます。トレッキングシューズの靴ひもをしっかり締め、ザックのパッキングも点検しましょう。

 なお、歩き出すと体が温まってきますから、涼しいくらいの衣服で出発するとよいでしょう。それでも暑くなったら、途中でシャツを脱ぐなどして対処します。また、長時間の休憩時には体を冷やしすぎないようにウインドブレーカー(雨具の上着でもよい)などを着ておきましょう。

 
山での基本的な歩き方
  斜面に対して靴底をフラットに置き、リズミカルにバランスよく歩く
   
  斜面に対して靴底をフラットに置き、リズミカルにバランスよく歩く

 凹凸が多く、不安定なことの多い登山道では、一歩一歩ゆっくりと確実に歩くことが肝心です。

 平地では足をカカトから着地し、体の重心は前足と後ろ足の中間になります。これに対して斜面を登る際には、靴底全体で地面をとらえるようにフラットに着地します。体の重心を後ろ足から前足へとスムーズに移動させるために、バランスよく腰ごと体を移動するようにします。左右の足幅はやや広くしたほうがバランスが取りやすくなり、歩幅は平地歩行よりも小さく、小刻みに歩いたほうが疲れにくくなります。また、前かがみになると疲れやすくなりますから、姿勢はできるだけまっすぐにして歩きましょう。

 
歩行ペースを考える

 歩きはじめはまだ体が慣れていませんから、意識してゆっくり歩くようにしましょう。30分ほど歩いたら、最初の休憩を10〜15分とるようにします。以降は、息切れしない程度のペースで歩きます。登りの傾斜がきつくなれば、当然、歩くペースは遅くなります。無理してがんばらずに、自分なりのペースで歩きましょう。また、山頂を目指してひたすら歩きつづけるというのでは、楽しい山歩きにはなりません。周囲の風景を眺めたり、写真を撮るなど山の自然を楽しみながら、のんびりと歩きましょう。

 当然ながら、のんびり歩けば、ガイドブックなどに記載されているコースタイム(第2回「計画を立てて、山に行こう」を参照)よりも大幅に実際の行動時間が増えてきます。撮影を目的に山歩きをするようなときには思っているよりも時間が必要ですから、コースタイムの2倍以上の時間を見込んでいたほうがよい場合もあります。

 
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【歩行と休憩のタイミング】
 山歩きでは、ある程度の時間を歩いたら、きちんと休憩をとることが大切です。歩きはじめは体がまだ慣れていませんから、登山口から30分ほど歩いたら最初の休憩を10分くらいとりましょう。以降は、1時間前後の歩行ごとに10分程度の休憩をとるのが、山歩きの一般的なリズムです。できるだけ安全で快適な場所で休憩しましょう。途中で昼食をとるのであれば、30分くらいの時間は必要です。
  もちろん、人によって体力の消耗や疲れ方が異なりますから、もっとこまめに休んでもかまいません。無理に歩いて消耗しすぎないようにしましょう。疲れたら休憩して、体力・気力ともにリフレッシュしてから歩きはじめましょう。

【休憩とエネルギー補給】
 歩行中は体温が上がり、汗や呼気から多くの水分が失われます。効率よく体の水分を補うためには、一気にガブ飲みせず、こまめに水を飲むようにします。1日の行程で、1リットル程度を目安として飲料を用意しておきましょう。飲料は、口当たりのよいスポーツドリンクなどがおすすめです。
  また、昼食以外に休憩時にも、エネルギー補給のために少量のスナックなどをとるようにします。この食料を行動食と呼び、短時間でエネルギーに代わるものを選びます。糖質の多いチョコレートなどの菓子類や栄養食品などがいいでしょう。

 
 
 

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