121ware 閉じる

あなたの山歩きがパソコンでさらに広がる 山とパソコン 10月号 毎月1回更新 監修 山と溪谷社 山と溪谷社
 
3.はじめてみよう!山歩き 第3回 山歩きの基本技術 監修:佐々木亨
急坂の登り下りは注意して
  地面がざらついて滑りやすい斜面では、足を逆ハの字にして踏ん張る
   
  地面がざらついて滑りやすい斜面では、足を逆ハの字にして踏ん張る

 急坂の登りでは、歩行ペースを落とし、歩幅も小さくして一歩一歩ゆっくり登りましょう。息切れしてきたら、安全な場所でいったん立ち止まって呼吸を整えましょう。滑りやすい斜面では左右の足を逆ハの字に開くようにすると、少し歩きやすくなります。

 急な下りで転倒すると大きな事故につながりますから、注意して、バランスをとりながら、靴底をフラットに着地させるように歩きます。また。長い下りは足腰に負担がかかりますから、休みながらゆっくり下りましょう。

 
段差のある登り下り
このような段差は、斜めに越えると楽に歩ける  
 
このような段差は、斜めに越えると楽に歩ける

 岩や木の根、木を組んだ階段など大きな段差を越えるときには、どこを行けば歩きやすいのか状況をよく判断することが大切です。広い階段が連続しているような場合には、正面から越えるよりも斜めにジグザグに越えたほうが楽に歩ける場合もあります。

 大きな段差を下るときには、とくに注意が必要です。乱暴に着地すると足首や膝に大きな負担がかかりますし、足がブレて捻挫したり、転倒の危険があります。着地する場所を選んで、静かに足を降ろしましょう。

 
トレッキングボールの活用

 最近は、トレッキングポール(トレッキング用のストック)を使う人がだいぶ増えてきました。歩行の際の補助具として、体のバランスをとったり、脚力を補うのに役立ちます。とくに、急な斜面や滑りやすい地面、大きな段差の下りなどで転倒事故を防ぐのにも有効な道具です。

 トレッキングポールは2〜4段の伸縮式になっており、携帯時には縮め、使うときには伸ばします。使用時のポールの長さは、地面に垂直に立ててグリップを握ったときに、肘が直角かやや開き気味になるくらいが平地で歩きやすい状態です。ポールを突く位置は足元が基準ですから、登りでは短めに、下りでは長めに調節します。大きな段差を下るときにはグリップを上から握り、先にポールで下の地面を突いてから、ゆっくり足を降ろします。

 使用上の注意点としては、あまりトレッキングポールに頼りすぎないことです。全体重をかけるような使い方は禁物で、あくまで歩行の補助として使うほうが安全です。また、伸縮式の脚のストッパーは緩まないように、しっかり締めておきましょう。

 
段差を下るときにトレッキングポールがあるとバランスをとりやすい ←段差を下るときにトレッキングポールがあるとバランスをとりやすい

→1本で使うシングルと2本使うダブルの方法がある。ダブルのほうがバランスよくリズミカルに歩きやすいが、やや腕力が必要
1本で使うシングルと2本使うダブルの方法がある。ダブルのほうがバランスよくリズミカルに歩きやすいが、やや腕力が必要
 
ページトップへ
前のページへ
 
コンテンツ
  1.誰にも負けない!山のデジタル写真
  2.今月のおすすめの山
  3.はじめてみよう!山歩き
  山のオリジナル壁紙
  今月号のプレゼント
  トップへ戻る
 
 
【山歩きのマナー】
 山歩きでのマナーといっても、日常生活でのマナーと基本的には変わりませんが、自然環境の保護や安全のために守らなければならないマナーもあります。

・あいさつ
  山では、行き交う登山者同士が「こんにちは」と挨拶する習慣があります。お互いが気分よく歩くためにもあいさつを交わしましょう。つらい急坂などでは、軽く会釈するだけでも気分がちがいます。

・道をゆずる
  登山者同士がすれ違いにくい狭い登山道では登り優先で、下る人が待機するのが原則です。片側が谷になっているような登山道では、なるべく広い場所で山側に寄って、登りの人に道をゆずりましょう。

・ローインパクト
  自然の中を人が歩けば、なんらかのダメージを与えることは避けられません。それをできるだけ抑えることが大切です。登山道や木道以外のところを歩くのは絶対に避けましょう。ザックを置く場合にも、植生などを傷めないように気を配りましょう。

・ゴミを持ち帰る
  山に持ち込んだものは、すべて持ち帰りましょう。食品の包装紙や弁当の容器、果物の皮などのゴミは、絶対に捨ててはいけません。休憩の後などは、ゴミを落としていないか確認してから歩きはじめる気配りが大切です。あらかじめ自宅で、ゴミになりそうな包装紙類をはずしておくとよいでしょう。また、ゴミ持ち帰り用にビニール袋を用意しておきましょう。
 

佐々木 亨(ささき・とおる)
1961年生まれ。著書に『マイカー登山ベストコース50 関東周辺』、『マイカー登山 II ベストセレクト50 関東周辺&日本アルプス』がある。山岳ライター・カメラマンとして各地の取材を行なっている。
今から始める山歩き
 
また、山歩き・はじめの一歩シリーズ全7巻、(1)山選び、(2)歩き方、(3)山の用具、(4)食事と健康、(5)山の天気、(6)地図とガイドブック、(7)山の危険も参考にしてください。山と溪谷社刊、A5判、各巻本体1300円+税 山歩き・はじめの一歩シリーズ全7巻


バックナンバー
 
第4回「山小屋泊まりの山歩き」
 
第3回 「山歩きの基本技術」
 
第2回 「計画を立てて、山に行こう」
 
第1回 「これだけはそろえたい、山歩きの基本装備」
 
 
 
 

1.誰にも負けない!山のデジタル写真2.今月のおすすめの山|3.はじめてみよう!山歩き|
山のオリジナル壁紙今月号のプレゼントトップへ戻る
 
NEC Copyright(C) NEC Corporation, NEC Personal Products,Ltd.