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その夜、パパとおじいちゃんは、パソコンで写真の整理をしはじめました。
「すでに300枚以上撮ったんだが、どう整理したらいいかね」
「うーん……ぜんぶメモリーカードに残したままですか。パソコンに取り込んで、必要ない写真はどんどん削除しちゃいましょう。アルバムソフトはどれですか?」
広一パパは、手際よくアルバムソフトを操作して整理します。
「せっかくだから、インターネットで写真仲間にも見せたいね」
「自分のホームページを最初から作るのはたいへんだから、写真も掲載できるブログ(ネット上の日記サービス)や、カメラメーカーのホームページのWebアルバムを使うといいですよ。ぼくが使っているのはここですけど」
「これは便利そうだな。私でもできるかね」
「ホームページに登録して、見せたい画像を選んで送信するだけだから簡単ですよ。ただし、画像サイズが決まっていることが多いですから、小さいサイズに変更してからやってみましょう」
「名作を小さくするのは抵抗があるなぁ」
「加工する時は元画像をコピーして使うんですよ。JPEG画像は何回も保存を繰り返すと劣化しますからね」
「プリントする時は大きいサイズのほうがいいんだろう?」
「そうですね。印刷する時のサイズは画像サイズ÷印刷解像度で考えればいいんです。たとえば、300dpiでプリントするなら、L判やポストカードには、200万画素以上、B6判ぐらいなら400万画素あれば大丈夫ですよ。大きい分には問題ないし。で、どれをプリントするんですか?」
「これを、できるだけ大きく、ね」
「あ、これはぼくが写真勝負に負けて悔しがってる姿……」
「シャッターチャンスは逃さないのが、ワタシのモットーでね!」
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次の土曜日になりました。
「それで広一くんに教えてもらったネットサービスなんだが、撮りためた写真をネットに登録しておくと、写真プリントや写真集も簡単に注文できるんだよ。それで届いたのがコレ。はい、おばあちゃん、プレゼント」
「あら、本みたいな写真集じゃないの、すごいわ」
「ぼくからはママに。どう? 世界で1冊の写真集だよ」
「まぁ、1枚ごとにコメントもついてる。ハズカシイわ〜」
「ほ〜ら、七海、どっちの写真集がステキかな?」
「おじいちゃんとパパ、また勝負してるんだね。これ、だぁれ?」
「七海よ。生まれた時の写真だわ」
「うわぁ。パパ、ちゃんと撮っておいてくれたんだね……えら〜い。じゃ、おばあちゃんの写真集の、この人はだぁれ?」
「すっごく若いけど、おばあちゃんよ! いつの写真なの?」
「懐かしいねぇ、沖縄に新婚旅行に行った時の写真だわ」
「パパがスキャナを買ってきたのは、昔の写真を取り込むためだったのね……。あら、これ私が赤ちゃんのときのお宮参りの写真!」
「さすが、おじいちゃん。うーん、この勝負、引き分け、だね!」
(文・波多野絵理 イラスト・工藤六助)
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