|
|
「今日は秋の味覚のくり御飯ね! パパの大好物じゃない?」
「ほんとだ。ウマそうだなぁ。いただきます!」
椎名さん一家は、広一パパと春菜ママ、小学校二年生の七海ちゃんの三人家族。土曜日にはいつも、ママの実家でお昼ごはんをいただきます。食べはじめたところで、リビングに置いてあるパソコンから♪キンコンカンとチャイムのような音が鳴り響きました。
「あら、あの音で、思いだしたわ。来週も、広一さんの好きなメニューにしましょうね。リクエストしてちょうだい」
「え、なんでパパの好きな料理ばっかりなの? いいなー」
「ほらだって、次の土曜日、パパのお誕生日でしょう。何歳になるんでしたっけ?」
「年とるのはいやなので、自分でも忘れてましたよ。よく覚えてくれてましたね。感激だなぁ」
「先日、パソコンの Outlook(R) っていうソフトの『予定表』を使っていたら、おばあちゃんが、みんなのお誕生日を登録して、というのでね。書き込んだんだよ。ついでに1週間前に、アラーム音が鳴るようにしたのさ。普段は出かける予定とかをメモしているんだが、こういう使い方もいいもんだね」
「さっきの♪キンコンカンていう音はそれだったんですね。パソコン、使いこなしてますねぇ。そのお気持ちだけで十分うれしいですから、料理はおまかせします」
「そうねぇ、おばあちゃんお得意のちらし寿司なんかどうかしら。ケーキは私が作るわ」
「おばあちゃんのちらし寿司にママのケーキ? サイコー!」
「なんだか七海の好きなものばっかりじゃないか。あ、ぼくも大好物ですよ」
「わーい、パーティーだ。七海もパパにプレゼントあげるからね!」
|
|
|
|
月曜日のおやつタイムは、ママと七海ちゃんが何やら相談中です。
「七海ちゃんは、パパに何をあげるの?」
「ええとね、悩んでるんだよね。ママは?」
「うーん、迷っているのよねぇ。デジカメは持ってるし、パパの好きなコレクションのことは、ママよくわからないし」
「趣味が多いとこういう時に困るよね。おじいちゃんに聞いてみようよ」
「やぁ、お邪魔するよ」
「あらおじいちゃん、ナイスなタイミングで登場ね。ちょうど相談したいことがあるの……」
「七海に呼ばれたんだけど、ママも悩みごとかね」
「こんなこともあろうかと思って、七海がおじいちゃんを呼んだんだよ」
「なんだ、二人そろって、パパへのプレゼント探しかね」
「ワイン好きだから、ボジョレーヌーボーとかにしようかと思ったんだけど……」
「ボジョレーの解禁は11月の第3木曜日だから、まだ先だなぁ。珍しいご当地ワインとかはどうだい」
「今から産地に買いに行くのはちょっと無理じゃない?」
「取り寄せができるものをネットで探してみようじゃないか。ワインの銘柄が決まっていなくても、『ワイナリー』とか『こだわりワイン』なんていう単語で探すといろいろでてくるよ。『プレゼント』などの単語を追加すると、贈り物向きの品物もでてくるぞ。生まれ年のワインや、オリジナルラベルをデザインできるのもあるんじゃないかな」
「ほんとだ。『ワイン』だけじゃ数がありすぎて決められないけど、『プレゼント』みたいな単語を追加して検索するといいのね」
「良さそうな品物がいくつか決まったら、今度はその商品名で検索して、感想を書いてる人の日記とかを参考に読ませてもらってごらん」
「なるほどねー。そういえば、最近の『お取り寄せグルメ』も、そうやって評判を見るとよさそうね」
「そうだな。ただし、大切な贈答品の場合、ネットだけじゃ、パッケージや味まではわからないから、一度は自分用に買って試すと確実だよ」
|
|
|
|