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「ねぇねぇ、おばあちゃん、テレビつけて〜!」
「あらあら七海ちゃん、テレビはごはんのあとっていうお約束でしょう?」
椎名さん一家は、広一パパと春菜ママ、小学校二年生の七海ちゃんの三人家族。土曜日にはいつも、ママの実家でお昼ごはんをいただきます。ところがごはんの前に、七海ちゃんが大騒ぎ。なんだかスグ見たいテレビ番組がある様子です。
「うちのビデオデッキ、壊れちゃったんだよ」
「まぁそうだったの。それじゃ、録画しておいてあげるから、先にごはんを食べてしまいなさいね」
「ああよかった〜。それじゃ、いただきま〜す」
ピッ、ピッ。
「あれれ、おばあちゃん、それ、パソコンのリモコンだよ」
「わかってます。パソコンでも録画できるでしょ。ビデオテープを入れかえる必要もないし、リモコンのボタンを押すだけだから、簡単なのよ」
「そっか、このパソコン、テレビが見れるパソコンなんだね。そしたら、今日の夜やる『24時間テレビ』も録画できる?」
「明日までえんえんやってる番組かい? 見ている番組を録画するのはできるけどねぇ。おじいちゃん、これ、予約はどうやるんでしたっけ」
「リモコンの番組表っていうボタンを押して、チャンネルを選んで、でてきた電子番組表から録画したい番組を選んで予約ボタンを押せばいいんだが……むむっ!」
「どうしたんです?」
「こりゃ、録画できる残り時間が足りん! 知らない間に、ずいぶん録画されとるぞ」
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「あっそういえば、ぼく、おばあちゃんに頼まれて、キーワードを登録して『おまかせ録画』の設定しましたよ。韓国俳優の名前を、なんだかたくさん」
「はいはい、なんでも登録しておけば、自動的に録画してくれるって広一さんが教えてくれたでしょ? 便利な時代になったものよねぇ」
「しかしこれじゃ、ハードディスクの空きが足りないですよ」
「え〜、そしたら、予約録画できないの?」
「まてまて。責任とって広一くんに整理してもらおう」
「うわ、やっぱりそういう展開ですか。そしたら、おばあちゃん、すいませんが、消していい番組、教えてください」
「ありませんよ」
「そうキッパリ言われても……標準画質で1時間録画すると、約1.8ギガバイトのハードディスクが必要だとして……24時間だと約44ギガバイト。あと、少なくとも20ギガバイトは空けないと……ええい、とりあえず、DVDに保存しますか」
パパは映像編集ソフトを立ち上げて、番組ごとに映像をまとめる編集作業を始めました。まとまった番組をDVDに保存していきます。
「あら、そんなことができるのね。だったら、ヨン様がでてる部分だけ、まとめてもらえるかしらね」
「そう簡単に言われても、どの番組にでてたのかわからないし、第一、ぼくは、ヨン様の顔、知らないですよ……」
「それもそうねぇ。それじゃ、教えてあげましょう。まずこの冬ソナの笑顔を覚えてちょうだいね。それから……」
「あああー、この作業、録画までに終わるかなぁー」
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