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あなたの山歩きがパソコンでさらに広がる 山とパソコン 11月号 毎月1回更新 監修 山と溪谷社 山と溪谷社
 
1.誰にも負けない!山のデジタル写真 第4回(最終回) プリント写真やポジをパソコンに取り込む 監修:畠山高
 
◇スキャナの選び方

 これからスキャナを購入するのであれば、多用途に使えるという点でフラットベッドスキャナがおすすめです。通常、A4サイズまでの反射原稿(印刷物やプリント写真、手書き文字や絵など)をスキャニングでき、フィルム用の透過原稿ユニットが内蔵されているタイプが多くなっています。性能の差でいちばん大きいのがスキャニング時の入力解像度のちがいです。

 解像度はdpiという単位で表示され、一般的なフラットベッドスキャナは1200〜4800dpiくらいの解像度を備えています。解像度が高いほど取り込んだ画像を大きく出力(プリント)できます。プリント写真からのプリントのように拡大率が低い場合には解像度が低くても問題ありませんが、35mm判フィルムのような小さなものをスキャニングする場合には高解像度のものを選びましょう。

 
◇スキャニングのポイント
解像度100dpiで出力した画像の部分拡大 解像度300dpiで出力した画像の部分拡大  
             
(右)解像度100dpiで出力した画像の部分拡大
(左)解像度300dpiで出力した画像の部分拡大
 
  写真プリントする場合の出力解像度は300dpiが一般的な目安とされていますので、たとえばL判プリントを同じ大きさ(等倍)でプリントするのであれば、300dpi(等倍)でスキャニングして、そのままプリンタで出力すれば美しいプリントが仕上がります。L判プリントを2倍(200%)に拡大する場合には、300×2の600dpi(等倍)でスキャニングして、プリンタで2倍の大きさに出力すればよいのです。あるいはスキャニング時の出力サイズをL判プリントを2倍の大きさ・300dpiに設定すれば、自動的に600dpiでスキャニングされます。解像度をもっと上げればプリント画質は向上しますが、上げすぎてもあまり効果はありません。プリンタの性能とも関係しますが、一般的には出力解像度300〜400dpiで充分といわれています。
 ポジやネガのフィルムをスキャニングする場合も上記と同様です。たとえば、35mm判フィルム(36×24mm)からL判(長辺127mm)にプリントする場合は、長辺で拡大率353%になりますから、入力解像度は300×3.53で1059dpiになります。別の見方をすれば、1200dpiのスキャナだと35mm判フィルムからL判までプリントでき、4800dpiであれば35mm判フィルムからA3サイズまでプリントできることになります。
 スキャニングしたデータは整理してパソコンに保存しておきましょう。ただし、高解像度でスキャニングした画像データはかなり重くなりますから、早めにメディアに移しておいたほうがよいでしょう。なお、スキャナの操作法はそれぞれの説明書をよく読んでください。
 
◇色あせたプリント写真をスキャニングしてよみがえらせる
 高性能なフラットベッドスキャナには、褪色補正機能が装備されています。この機能を使えば、黄色く褪色してしまったプリント写真や色あせたポジなどを鮮やかによみがえらすことができます。褪色補正機能がない場合には、レタッチソフトを使って色調を補正しましょう。また、逆光補正、ごみ傷低減などの便利な機能を備えた機種も増えています。

褪色してしまったプリント写真 褪色補正で色鮮やかに再生
(左)褪色してしまったプリント写真  (右)褪色補正で色鮮やかに再生
 
記念品や小物をスキャニング

 フラットベッドスキャナなら、多少厚みのあるものでもスキャニングできます。パンフレットなどの紙類はもちろん、山小屋のバッヂや記念のバンダナ、落葉のようなものならそのままスキャンしてみましょう。適当な大きさにプリントして、彩りとして添えておくと楽しいアルバムが作れます。また、レイアウトソフトを使ってパソコン上でデータを貼り込めば、気のきいた電子アルバムを作れます。

(左)紅葉 (中)山のバッヂ (右)記念手ぬぐい
紅葉 山のバッヂ 記念手ぬぐい
 
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畠山 高(はたけやま・たかし)
1954年、秋田県生まれ。著書に『剣岳』(山と溪谷社)、『わが剱岳』(東京新聞出版局)など。写真家、パソコンインストラクター、日本山岳写真集団同人。
http://www.b-mountain.com/


バックナンバー
 
第4回 「プリント写真やポジをパソコンに取り込む」
 
第3回 「パソコンと画像のレタッチ」
 
第2回 「デジタルカメラの実践撮影法」
 
第1回 「デジタルカメラの基礎知識」
 
 
 

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