「ロングフライト血栓症」は、飛行機だけでなく、長い時間、電車に乗る、あるいはバスや車で移動する場合でも、同様の危険性があります。長時間、同じ姿勢でいると足の静脈の血液が流れにくくなり、ドロドロに固まりやすくなるうえ、乾燥した機内では水分が失われるため、より血栓ができやすくなってしまうのです。
一般的な予防法としてはトイレへ行くなどして、2、3時間ごとに席を立つのがよいでしょう。できれば遠いトイレに行ったり、トイレ待ちの間に簡単に屈伸運動するのもよいアイデアです。さらに脱水しないために、1時間ごとにコップ半分の水やジュースを飲むこと。アルコールやコーヒーなどカフェインの入った飲み物は控えたほうがよいでしょう。またずっと座っている時は、踵やつま先を上下に動かしたり、太ももを持ち上げるなどして足の筋肉を収縮させるなどの簡単な運動を心掛けましょう。
それでも、片方のふくらはぎや膝の裏が腫れて痛みを感じたら、もしかしたら発症の疑いも。すぐに立ち上がったりせず、乗務員を呼ぶことが賢明です。
(文/戸井美也子) |