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入浴中
前回は、1日1回目と2回目の入浴中の手足、肩の運動について述べました。今回は、腰の運動です。
1日のうちで3回目の入浴で行ってもよいし、滞在2日目の入浴時に行ってもよいでしょう。
温泉入浴は、多くて1日3回までですから、滞在日数と体の調子によって入浴時の運動を選んでください。ただ湯にじーっとつかっているより、体の部分をこまめに動かしてつかることが大切です。
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一、腰の運動
ギックリ腰など急性の痛みがあるときは入浴を避けます。急性の症状が治まってから利用します。
浴槽の中の段に腰掛けて、半身浴で3分ほど経ってから、腰を前にずらしてゆくと斜め浴か、浮き身の入浴姿勢となります。
少し汗ばんだら一旦出浴します。5分ほど休んだら再び浴槽につかります。この時は、腰をゆっくり動かします。浴槽の縁に両手をかけて湯の中で両ひざをそろえ、腰を左右に倒す運動。休息を入れて10回行います。
ここで一度、出浴します。浴槽の縁に腰掛けて足浴で休みます。
ついで再び湯につかります。このときは、浴槽の中の段に腰掛けた半身浴で、体を左右にゆっくりしたリズムで回します。
二、入浴中の注意
前回述べたとおり、入浴中はふだん凝りやすい部分を動かすとよいでしょう。
温泉水は水道水よりも密度が高く、浮力や粘性が強く働きますから、体はより軽くなり、水中運動で水の抵抗力が勝り筋力がいっそう高まります。あくまで汗ばむ程度で、決して汗が流れるほど頑張らないこと。運動の回数は目安で自分の体調に合わせて増減します。
調子に乗ってやりすぎると浴後に湯疲れが出ます。汗が流れるほどの長湯も同じです。ほんのり汗ばんだら一旦出浴して休息して下さい。
このとき体や頭を洗います。温泉旅館にきたら湯水をふんだんに使える快感があるようですが、あまりごしごし全身をくまなく洗う必要もありません。
温泉入浴は、いわば薬溶液に体をひたすのが目的です。体の洗浄は毎日の家庭入浴で済ませているのです。
(2005年旅行読売4月号より) |
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