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植田理彦温泉博士の温泉健康法
 
第6回 上手な入浴法6 「皮膜を守って保温、美肌へ効果大」
水も滴る美人
【入浴後

一、上がり湯

 皮膚の新陳代謝で皮膚の脂肪に含まれるたんぱく質と、温泉水の化学成分とが結びついて皮膜ができます。この皮膜が体を覆って体温を抑えるので、浴後の保温効果があるのです。真湯(水道水)で皮膜を流してしまうことは、温泉に浸った意味がなくなります。

ただし、肌、粘膜がカブレやすく弱い人は、酸性泉、濃い硫黄泉、濃い塩化物泉の入浴後は、シャワーか上がり湯で流したほうがよいでしょう。健常な肌の人はそのまま流さずに上がります。

二、拭く

 足拭きマットが湿っていて乾燥していないときは、他の人の水虫の感染があるかもしれないので、使用しないほうがよいでしょう。

 体についた水滴は十分乾いたバスタオルでぬぐいます。肌に水滴を残すと湯冷めしやすくなります。汗が十分落ち着いてから着衣します。湯上りで体が火照っているからといって、クーラー、扇風機の風に当たるのも控えめにします。

 タオルで拭っても、温泉水でできた皮膜は失われません。

三、スキンケア

 乾燥肌、高年齢の人は、必ず使い慣れた化粧水でのスキンケアが必要です。保湿剤、乳液などを塗っておくことです。「美人の湯」「美肌の湯」といわれる単純アルカリ泉や、ナトリウム−炭酸水素塩泉に入浴中は、皮膚の脂肪が乳化されて肌が滑らかになりますが、浴後そのままにしておくと皮膚の脂肪が洗い流され肌がかさついてくるのです。「美人の湯」「美肌の湯」であっても、湯上がりにスキンケアが必要です。

 市販の医薬部外品の入浴剤には、保湿剤が調合されています。硫黄泉、硫化水素泉、含鉄泉、酸性泉も浴後のスキンケアが特に必要です。 10〜20歳代にかけての脂肪肌の人は問題ありません。かえってこの泉質が向いています。

四.水分の補給

  入浴後は目に見えなくても、水分の蒸発はかなりの量です。血液が濃縮されるので水分の補給が大切です。 60歳以上の人、高血圧、動脈硬化症、心臓疾患などの人は特に心筋梗塞、脳梗塞の予防のために必要です。水も滴る美人になるためにも、補給が必要です。水は温泉水、ミネラルウォーター、湧き水などです。

(2005年旅行読売5月号より)
 


バックナンバー
第10回 糖尿病と温泉(2) 「運動施設のある温泉で5日間湯治」

第9回 糖尿病と温泉(1) 「多くの現代人が悩む糖尿病の対処法」

第8回 上手な入浴法8 「温泉入浴を楽しむ十五ヵ条」

第7回 上手な入浴法7 「飲酒後の入浴、早朝の入浴は避ける」

第6回 上手な入浴法6 「皮膜を守って保温、美肌へ効果大」

第5回 上手な入浴法5 半身浴でゆっくりと腰を左右に回転

第4回 上手な入浴法4(入浴中) 休息をとりながら湯舟で手足の運動を

第3回 上手な入浴法3 心臓、肺に負担のない入浴姿勢をとる

第2回 上手な入浴法2(熱い湯、ぬるい湯) 体に優しい入浴は、40度付近のぬる湯にゆっくりつかる

第1回 上手な入浴法(かけ湯、かぶり湯) 「入浴前に湯を浴びてレジオネラ菌を流す」
植田 理彦 温泉療法医・医学博士 植田 理彦 温泉療法医・医学博士
1927年東京生まれ。1950年東京大学卒業後、同大物療内科で温泉医学を学ぶ。温泉療法医会顧問。1990年環境庁長官より温泉行政功労者として表彰を受ける。現在、内幸町診療所所長
植田 理彦 温泉療法医・医学博士
植田 理彦 温泉療法医・医学博士


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