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植田理彦温泉博士の温泉健康法
 
第9回 糖尿病と温泉(1) 「多くの現代人が悩む糖尿病の対処法」
 「多くの現代人が悩む糖尿病の対処法」

一. 糖尿病とは

 糖尿病の人は、わが国全人口の1〜2%と推定されています。この病気の発病には体質的な因子が関与していることは明らかで、一度発病すると完全に治癒することがなく、一生涯持ち続けるものです。しかし上手に管理されれば心配のない病気です。
 血液中のブドウ糖を60から140mg/dl以上に増えないように管理すればよいのです。この大切なシステムをコントロールしているのが、すい臓から分泌されているインスリンというホルモンです。このホルモンは胃腸で取り込んだ糖分を分解し、細胞にブドウ糖を送る役目をしています。

二.なぜ糖尿病が起こるのか

 糖尿病には、I型のインスリン依存型とII型のインスリン非依存型があります。I型はインスリン生産の異常で絶対量が不足して起こるタイプで、II型はインスリンの需要が多く普通に生産していたのではとても間に合わなくなったために、不足の事態が生じるタイプです。
 多くの人の糖尿病はII型のインスリン非依存型です。食べ過ぎ、肥満、ストレスが要因となってインスリンの消費量が増え、結果としてインスリン不足を招きます。肥満はインスリンを分泌するすい臓のランゲルハンス島の機能を低下させ、インスリン不足に拍車をかけることになります。
 インスリンの生産能力が低下する体質は遺伝しますから、血縁に糖尿病の人がいれば、肥満がなくても糖尿病を起こすことがあります。
 中年以降になって太り過ぎると体の中にインスリンを過度に必要とするので、中年太りの人は比較的軽い糖尿病が起こるのです。糖尿病境界型です。

三.糖尿病は合併症が怖い

 糖尿病は合併症の病気といわれるほど油断すると脳卒中、心筋梗塞(こうそく)、失明、腎不全など重大な疾患を引き起こします。そのほか歯周炎、運動神経障害、知覚神経障害、自律神経障害、白内障、壊疽(えそ)なども合併症です。
 これらの合併症をいかに抑えることができるかが、糖尿病の対策になります。
 合併症を起こさなければ糖尿病そのものはさほど恐れる病気ではありません。温泉による効果、入浴法などは次回に。

(2003年旅行読売10月号より)

 

バックナンバー
第10回 糖尿病と温泉(2) 「運動施設のある温泉で5日間湯治」

第9回 糖尿病と温泉(1) 「多くの現代人が悩む糖尿病の対処法」

第8回 上手な入浴法8 「温泉入浴を楽しむ十五ヵ条」

第7回 上手な入浴法7 「飲酒後の入浴、早朝の入浴は避ける」

第6回 上手な入浴法6 「皮膜を守って保温、美肌へ効果大」

第5回 上手な入浴法5 半身浴でゆっくりと腰を左右に回転

第4回 上手な入浴法4(入浴中) 休息をとりながら湯舟で手足の運動を

第3回 上手な入浴法3 心臓、肺に負担のない入浴姿勢をとる

第2回 上手な入浴法2(熱い湯、ぬるい湯) 体に優しい入浴は、40度付近のぬる湯にゆっくりつかる

第1回 上手な入浴法(かけ湯、かぶり湯) 「入浴前に湯を浴びてレジオネラ菌を流す」
植田 理彦 温泉療法医・医学博士 植田 理彦 温泉療法医・医学博士
1927年東京生まれ。1950年東京大学卒業後、同大物療内科で温泉医学を学ぶ。温泉療法医会顧問。1990年環境庁長官より温泉行政功労者として表彰を受ける。現在、内幸町診療所所長
植田 理彦 温泉療法医・医学博士
植田 理彦 温泉療法医・医学博士


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