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ここには、大正5年(1916)に建てられた当時の桐生高等染織学校の講堂が今も残り、国の有形文化財に指定されている。群馬大学工学部の同窓記念会館として現役の木造建築だ。金具や調度品にいたるまで当時の姿を残し、ギシギシと音をたてる廊下に、鉄筋校舎で育った私も何か懐かしいような不思議な気持ちになる。
校門でに学生に声をかけた。「今年、就職が決まって東京に戻ります。ここには古い町並みだけでなく、昔の近所付き合いみたいなものが残っていて、町の人には本当にお世話になりました」東京出身の男子学生はそう話す。
校門を出て左に歩き、最初の交差点を左に折れると、大正8年に建築され、桐生に現存する唯一のレンガ造りののこぎり屋根工場、金谷レース工業などがある。
再び本町通りに戻り、本町1丁目の交差点へ向かう。途中左手には「一の湯」(330円、15時〜23時)がある。織物工場で働く女工さんのために作られた昔ながらの銭湯だが、いまでも薪を使って湯を沸かしているため、湯が柔らかく温まりやすいと地元のファンも多い。
本町1丁目の交差点近く、うどん屋「藤屋本店」でひと休み。太目でこしの強い手打ち麺が特徴だ。(天ぷらうどん、750円)。上州名物からっ風が麺の乾燥に適し、麦の栽培が盛んだった桐生は、市内にうどん屋が100軒以上もあるうどんの町としても知られる。桐生うどん会を組織し、観光客の誘致にも積極的だ。
本町4丁目の交差点まで戻ったら右へ。かつて糸の問屋街としてにぎわった糸屋通りを渡り、15分ほど進むと昭和3年に建てられた上毛電鉄西桐生駅に着く。
そこからは南に5分ほど歩いて、再び出発点の両毛線桐生駅へ。地元の高校生であふれる電車に座り、ほどよく疲れた足をマッサージしながら帰路についた。
(文/熊崎俊介) |
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【交通】両毛線桐生駅下車/北関東道伊勢崎ICから国道17号線、県道68号線経由約25分
、駅前に有料Pあり
【備考】ボランティアガイドあり(無料、3人以上からで要予約)、詳細は桐生観光協会へ。
【宿泊】駅前にビジネスホテル、旅館などがある。
【問い合わせ】桐生観光協会 0277-40-1888 |
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(2004年旅行読売4月号より) |
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